Microsoft(マイクロソフト)は米国時間10月21日に、カナダのMoverを買収したことを発表した。買収金額は公表されていない。Microsoft 365への移行をできるかぎり容易するる目的でMoverを手に入れたようだ。
Microsoft 365は、Office 365やMicrosoft Teams、セキュリティツール、ワークフローなどを収めたバンドルソフトだ。その考え方は、前菜からデザートまでフルコースの生産性パッケージを顧客にクラウドから提供することだ。Moverは、別のサービスのファイルをMicrosoft 365に容易に持ち込めるようにする。
Office担当のコーポレートバイスプレジデントであるJeff Tepper(ジェフ・テッペ)氏が、買収を発表するMicrosoftの公式ブログで「顧客にできるだけ迅速かつ円滑にマイクロソフトのクラウドへ移行していただくことが目的だ」と言っている。彼は「MoverはBoxやDropbox、Egnyte、Google Driveなど10あまりのクラウドサービスプロバイダーからOneDriveやSharePointへの移行をサポートし、 OfficeやMicrosoft TeamsなどMicrosoft 365のすべてのアプリケーションとサービスの上でのシームレスなコラボレーションを可能にしている」と語る。
テッペ氏によると、Moverには優れたマイグレーションツールがすでにあるだけでなく、同社チームの専門的技術力もマイクロソフトが活用できるようになるという。
Real Story Groupの創業者で主席アナリストのTony Byrne(トニー・バーン)氏によると、異なるシステム間のファイルの移行は、どんなやり方にせよ極めて困難なこともある。ファイル転送のメカニズムもその困難の一部だ。「オンプレミスのシステムや競合するクラウドサプライヤーから365への移行は『移行』という単純な言葉では言い表せない。むしろそれは再構築であり、UXもアドミンのかたちも各種のサービスもオペレーションの構造も、すべてをマイクロソフトのクラウドに合わせて変えなければならない」とバーン氏は説明する。
Moverはカナダのエドモントンにあり、創業は2012年で、Crunchbaseのデータによるとこれまで100万ドルを調達している。顧客には、AutoDesk、Symantec、BuzzFeedなどの著名企業もいる。
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa)