MITの研究者たちによる新しい技術は、患者が書いた文章や口頭での反応を分析することで、うつ病を検知することができる。MITのCSAILグループによって開発が始まったこのシステムは「ニューラルネットワークモデルを使用することで、生のテキストやインタビューの音声から、うつ病を示すパターンを発見することができる」のだ。
「新しい被験者が与えられると、この技術はその個人がうつであるか否かを正確に予測することが可能である、その際に質問と答え以外の情報は何も必要とししない」と研究者らは書く。
システムの最も重要な部分は、文脈自由であることだ。すなわち、特定の質問や回答の種類を必要とはしない。ソースデータとして、日常的なやりとりを使用するだけなのだ。
研究者のTuka Alhanaiは「行おうとする質問の種類や、それらの質問に対する回答の種類に制約を課すことはないので、私たちはそれを『文脈自由』であると呼んでいるのです」と語る。
「患者の話し方はそれぞれ異なります。そしてもし私たちのモデルがその話し方の中に変化を見つけたら、医師に対して注意を促すのです」と語るのは論文の共同執筆者であるJames Glassだ。「これは臨床家を助けるために、何らかの手助けをできるか否かを見るための一歩なのです」。
リリースより:
研究者たちは、そのモデルを、メンタルヘルスに課題を抱える患者へのインタビュー(音声、文章、そして動画が含まれる)と、人間によってコントロールされる仮想エージェントのコンテンツを含む、Distress Analysis Interview Corpus(苦痛分析インタビューコーパス)の142件の対話データセットを用いて訓練し、テストを行った。各被験者は、Personal Health Questionnaire(パーソナルヘルスアンケート)を使用して、0〜27の尺度でうつ病に関して評価されていた。中程度(10〜14)と中の上程度(15〜19)の分画より上のスコアはうつ病と考えられ、それより低いものはうつ病とはみなされない。データセット内のすべての被験者のうち、28人(20%)がうつ状態にあると診断されていた。
実験では、精度と再現率のメトリクスを使用してモデルが評価された。ここで言う精度とは、モデルによってうつと判断された被験者のうち、うつと診断されていたものは何人だったのかを測ったもの。また再現率とは、全部のデータセットの中でうつ病と診断された全ての被験者に対して、モデルの出す正確さを測ったものだ。今回のモデルは、精度では71%を獲得し、再現率では83%を獲得した。エラーを考慮したこれらのメトリクスの合計平均スコアは77%だった。大部分の試験で、研究者たちのモデルは、他のほとんどすべてのモデルより優れていた。
もちろん検出は全体プロセスの一部に過ぎないが、このロボセラピストは、実際のセラピストが長い時間をかけて行う分析に対して、問題を見つけて分離することを助けることができる。それはメンタルヘルスにおける、魅力的な一歩だ。
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(翻訳:sako)