センサーの開発を手がけるスタートアップで、上場企業入りを目指すLuminarは、Intel(インテル)の子会社であるMobileyeに自律走行車用のLiDARを供給するサプライヤー契約を締結した。
米国時間11月20日に発表されたこの契約は、長い間自動車業界を支配してきた企業と組み合わされることで期待の星となりそうだ。
このサプライヤー契約は、Mobileyeの中心事業であるコンピューターによる視覚イメージ処理技術の規模とはほど遠いものの、いくつかの試験プログラムを超えて拡大が見込める重要なコラボレーションだ。LuminarとMobileyeは、約2年前から開発契約を結んでいる。今回の新たな契約は、両社にとって次の重要なステップを示すものだ。
Mobileyeのカメラを使ったセンサーは、ほとんどの自動車メーカーが先進的な運転支援システムをサポートするために使用している。現在、5400万台以上の車両がMobileyeの技術を搭載している。しかし、2017年に153億ドル(約1兆5900億円)でインテルに買収された同社は、ここ数年で手を広げ、いまや先進運転支援技術を超えて、自律走行車のシステム開発に向けて動き出している。2年前にMobileyeは視覚認識、センサー融合、REM(Road Experience Management)マッピングシステム、ソフトウェアアルゴリズムを含むキットを発売する計画を発表した。
Mobileyeはそれ以来、自動運転の野心をさらに高めており、業界の一部では、単なるサプライヤーに留まらず、無人タクシー事業に乗り出すという予期せぬ方向に発展するのではないかとみられている。
LuminarとMobileyeの現時点では小規模な契約は、まだ生産契約に過ぎない。LuminarのLiDARは、Mobileyeの第1世代の無人運転車に搭載される予定で、ドバイ、テルアビブ、パリ、中国、韓国の大邱市で試験運転が行われている。Mobileyeの最終的な目標は、無人タクシー事業を拡大し、その自動運転スタック(AVシリーズソリューション)を他の企業に販売することである。MobileyeのAmmon Shashua(アンモン・シャシュア)最高経営責任者(CEO)は、同社が2022年に商業的な無人タクシーサービスを開始することを目標にしていると述べている。
「つまり、この生産契約は基本的に、2022年のサービス開始に向けてMobileyeの車両に装備を整え、同社のカメラソリューションと併用することで、安全性と余剰性を確保する力となるわけです」と、Luminarの創業者でCEOのAustin Russell(オースティン・ラッセル)氏は最近のインタビューで語っている。
この「AVシリーズソリューション」の最初の用途は、Mobileyeが自社で所有する車両向けだが、ラッセル氏はその後の機会に興味を持っている。
「Mobileyeは、他のどんな民間の自動運転開発会社ともまったく異なる会社で、まったく異なる戦略を取っています」とラッセル氏は語る。「彼らは何千万もの製品を量産車に搭載しています。つまり、何かを量産するために何が必要なのかを知っているわけです。その波に乗り、量産車の分野に有利な立場として関わることができるというのは、私たちにとって特別な関心事でした」。
Luminarは他にも量産レベルの案件を獲得している。VOLVO(ボルボ)は5月、LuminarのLiDARと認識システムを搭載した自動車の量産を2022年に開始すると発表した。これらを使ってボルボは、高速道路用の自動運転システムを展開する。
いまのところ、LiDARはハードウェアパッケージの一部として、XC90から始まったボルボの第2世代の「スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャ」をベースとする各車にオプションとして用意されている。ボルボはLuminarのLiDARをカメラ、レーダー、ソフトウェアそしてステアリングやブレーキ、バッテリー電力などの機能を制御するバックアップシステムと組み合わせ、高速道路における自動運転機能を実現する予定だ。
ダイムラーのトラック部門は2020年10月、人間が乗っていなくても高速道路をナビゲートできる自律型トラックを生産するための幅広いパートナーシップの一部として、Luminarに投資したと発表している。
カテゴリー:モビリティ
タグ:Luminar、Intel、自動運転、LiDAR、自動車、ロボタクシー
画像クレジット:Intel
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(翻訳:TechCrunch Japan)