MongoDBは今でも主力製品のNoSQLデータベースで有名だが、しかし昨年同社は、Atlasという、管理サービスつきのデータベースサービスを立ち上げた。そのクラウドサーバーは、AWS上で動いている。立ち上げ時点では有料サービスのみだったが…AWSの使用料も払わなければならないから当然か…、今日からはMongoDBを勉強したいデベロッパーや、これから新しいアプリケーションのプロトタイプを作る、といった人たちのために、無料サービスの提供を開始する。
無料プランには当然ながら制約もあり、たとえばストレージは512MBしか使えない。でも、可用性の高いAtlasのクラスターにアクセスできる点では有料プランと同じで、しかも、保存されている、あるいは転送時の、データは暗号化される。だからストレージが小さい点をのぞけば、サービスの内容は有料プランと変わらない。MongoDBをこれから勉強しよう、というユーザーにとっては、ストレージのサイズもこれぐらいで十分だろう。
無料プランがなぜこんなに遅れたのか、という問いに対してMongoDBのクラウドプロダクト担当VP Sahir Azamはこう答える: “無料プラン(Free Tier)のユーザー体験を、最初から本格的なものにしたかった。最初に立ち上げた有料プランも、販促のための無料利用の部分がかなりあり、デベロッパーはかなり気軽に完全なプロダクトを体験できた。そして彼らからのフィードバックが、無料プランでも高可用性とモニタリングと主要なセキュリティ機能をを提供すべき、という確信をわれわれに与えた。そのほかの機能やツールについても、それらをすべて提供すべき、という確信が得られた。つまりこれまでの有料ユーザーからのフィードバックを見るかぎり、ユーザー体験のクォリティーという点から、有料バージョンと完全に同じものを提供すべき、という結論にならざるを得なかった”。
また、今日同時にローンチしたデータマイグレーションツールmongomirrorにより、既存のMongoDBのデプロイメントをAtlasへ移せる。このツールは、将来的にはクラウド上のツールとしてAtlasから提供される予定だ。
Atlasの利用状況についてMongoDBは詳しい数字を明かさないが、“全世界の数千の企業で使われている”、とだけ言った。その中には、オンラインデートサービスeHarmonyや、バイオテックのThermo Fisherなどが含まれる。