Mozillaが今進めているプロジェクトが完成すると、ブラウザがユーザのすべての関心事のリストを収める中心的なリポジトリになる。今日(米国時間7/25)Firefoxブラウザの非営利の母体的団体Mozillaは、多くのWebサイトで個人化が進んでいるが、しかしそのために、“ユーザが知らず知らずのうちに自分の個人情報その便利な機能のいわば代価として払っている場合が多い”、と論争を挑んだ。個人の関心グラフをオンラインで多くのベンダと共有するのではなく、Firefoxのやり方ならユーザの閲覧履歴を見るだけで趣味や関心事を見抜ける、と。
Mozillaは前にもこのアイデアを提唱したことがあるが、今日の提案はMozillaが広告業界と、クッキーやDo Not Track(トラッキング拒否)の取扱いについて長らく議論している最中に行われたのだ。
この提案は、ユーザが、自分が訪れたWebサイトと自分の関心を共有する場合は、それを明示的かつ透明に(==自分に分かるように)行われるべきだ、という主張に基づいている。Webサイトは、ユーザの関心事に関する個人プロファイルを密かに勝手に作らなくても、個人化は十分にできる。そのような個人化なら、ユーザがそのサイトを初めて訪れた場合でも可能だ(閲覧履歴が見られるならば)。
“Web上の対話的な活動に個人が明示的に参加することによって、欲しいものを容易に得られるようになるべきだ。その参加の仕方も、ユーザに見えない楽屋裏部分があるのではなく、その全体が明示的に定義されていなければならない”、Mozillaの企業および法務担当SVP Harvey Andersonが、今日そう書いている。“Webサイトのコンテンツの個人化とそれに関連したイノベーションはすべて、ユーザの体験の質を上げるものでなければならない。そのためには、個人化を行おうとする側が消費者に、彼/彼女にどれだけの個人情報を公開する意思があるかを問う、明確なオプションを提示すべきである。サイトは、それに基づいて、もっとも適切なコンテンツやサービスをユーザに提供するものでなければならない”。
Mozillaはこの考え方の実装を目下実験中だが、誰もが利用できる公式の実装が提供されるのはまだまだ先のようだ。Mozillaがこれについて初めて語ったときにはしかし、Webサイトはユーザの個人的情報を勝手に記録すべきでないし、どんな情報を共有するかしないかはユーザ側が完全に決められるべきだ、と述べていた。しかしそのことを、企業の善意と良心と良識にだけ依存して実現するのは、とても難しいだろう。
しかし当面Mozillaは、とにかくこの問題について会話を始めよう、という姿勢だ。広告業界もMozillaには一目置いているから、会話ならそんなに難しい課題ではないと思われる。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))