NASAは地球に似た性質の惑星7つが近くの恒星を周回していることを発見した。今なお続く太陽系外惑星に存在する地球外生命探索の最有力候補となった。
7つの惑星はいずれも比較的気候が温暖で岩の多い地形を有している。どちらも水と生命を探す出発点として期待できる兆候だ。惑星群はTRAPPIST-1という、地球から約39光年の距離にあるいわゆる “ultracool dwarf star”(超低温矮星)を周回しているが、残念ながらLord of the RingsのGimliと共通の性質を持つという意味ではない。
TRAPPIST-1はわれわれの太陽の1/10ほどの大きさで、約1/4の放射熱を発している。惑星の太陽からの距離もずっと近い。もっとも近い惑星の「1年」(恒星を周回するのに要する期間)は1日より少し長く、もっとも遠い惑星でもわずか20日間だ。
TRAPPIST-1系およびこれに属する地球型惑星群は画期的な発見だ。これまでに発見された候補はわずか4個しかない。新しい地球型天体群は、主執筆者であるリエージュ大学のマイケル・ギロン氏らが、2015年以来観測を続けているTRAPPIST-1星を研究する中で、星の輝度が一時的に低くなることに気付き、周回する惑星のうち3つが星の表面を通過するためであることを突き止め今回の発見にいたった。
NASAは、この発見を地球外生命発見の可能性が高まった兆候とする観測筋の期待にすかさず釘を刺した。その可能性は極めて低く、これらの惑星が地球と似ているというのは、岩が多くTRAPPIST-1のいわゆる「居住可能区域」に属しているために温暖であることだけだ。大気があるか水や酸素等の気体があるかどうか等、他にも地球と共通する性質があるかどうかを判断するにはまだ早すぎるとNASAは説明している。
とは言うものの、たとえ最小限でも地球と似た性質を持つ惑星がこれほど数多く、これほど近くの星を周回しているという発見は有望な兆候であるとNASAの研究者らは言っている。実際、銀河系には地球型惑星が ― われわれが予想していたよりはるかに多く ― 散在しているかもしれないと理論立てる向きもある。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)