NASAが2020年に火星へ送り込む計画のローバー(惑星探査機)が具体化し、今日(米国時間7/16)ほぼ最終的なデザインが公開され、クールな新しい機器の詳細もいくつか披露された。(上の画像の超巨大バージョンがここにあるのでチェックされたし)。
費用を節約するために、これは本当のことで理にかなっているのだが、Mars 2020のローバーは多くのハードウェアがCuriosityと共通化されている。古い機種が素晴らしい仕事をしているのに、一から作り直す必要などあるだろうか?
「Mars 2020はCuriosityの設計と一部の余剰部品を活用しているため、同ミッションで受け継がれる部品のかなりの部分がフェーズAおよびBですでに構築されている」とMars 2020プログラムの幹部、George Tahuが NASAのプレスリリースで言った。「現在プロジェクトは最終設計と新システム構築を進めている」。
通常、フェーズAとBはコンセプトと研究作業が中心だが、宇宙の車輪を再発明する代わりに、Mars 2020はこれを仕立直した。同ミッションは生命体の発見に強く重点をおいており、そのために特化した機器を装備している ― そして、何もかも自分でやるのではなく将来のミッションを見据えて作られている。
着陸ゾーンは想定される生命への適性に基いて選ばれ ― 古代の河川、穏やかな気候、等々 ― Mars 2020は手がかりをさがして地表を削るだけではない。新型のコアリングドリルとコアサンプルを採取する試験官ラックを備えている。
火星資源の綿密な調査によって、有人ミッションで周囲から酸素その他の物質を収穫できる可能性を探り、地中探知レーダーで地表の下の興味深い構造を観測する。そしていつもの驚くべきカメラ群や様々なセンサーは、地球で待つ惑星学者たちが解読するための、あらゆる興味深いデータを記録するだろう。
新たに加わった装置の中で、平均的地球人にとって最も興味深いはのおそらくマイクロホンだ。ローバーの降下と着陸の音だけでなく、地表周辺の雑音を記録する。
「これは、一般人が火星の音を初めて聞く、素晴らしい機会になるだろう」とMars 2020の副プロジェクトマネージャー、Matt Wallaceは言った。「工学的に有益な情報も提供する可能性もある」。
果たしてどんな音だろうか? おそらく、空気の薄さを考えれば非常に静かだろうが、それでも興味津々であることは間違いない。
着陸そのものも改善される。これまでと同じ 「スカイクレーン」 が採用され、まずパラシュートを、次に降下プラットフォームを送り出し、これがローバーを地表に軟着陸させるが、2点改善されている。
「レンジトリガー」が、パラシュートを離す最適の瞬間を選んで、着陸の精度を高め、下方カメラが着陸ゾーンを再確認して、必要であれば着陸船を迂回させ危険な地表を避ける。
すべて予定通りに運び、製造、資金、あるいは計画に遅れがなければ、Mars 2020はその名を冠した年に発射され、2021年2月に目的地に到着する。