NASAは300以上の企業に対して、貴重なアーリーステージ資金となる新たなスモールビジネス向けの助成金を合計5100万ドル(約55億円)提供したことを発表した。今回選ばれたフェーズ1のプロジェクト(SBIRリリース)は、1つの企業が最大で12万5000ドル(約1350万円)を受け取り、新しいテクノロジーの商品化を進めることができる。
この「Small Business Innovation Research/Technology Transfer(スモールビジネス・イノベーション研究/テクノロジー移転、SBIR)」プログラムは、起業家や発明家のアイデアを研究段階から商品化へと移行させる手助けをするものだ。この資金は投資ではなく助成金に近い。さらにフェーズ1で資金を獲得した企業は、条件を満たすことでより規模の大きなフェーズ2助成金の申し込み資格を与えられる。
2020年も例年のように、数多くの学術分野、幅広い業種が対象となった。ニュースリリースで紹介されたNASAが注目するアイデア(NASAリリース)には、高出力ソーラーアレイ、都市上空飛行のためのスマート航空管制システム、月面で使用する水浄化システム、改良型リチウムイオン・バッテリーなどがある。
さらに医療現場でも使える「宇宙船素材に使用するコンパクトな殺菌装置」を開発した企業には、個別の賞も贈られた。
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受賞者リストを見て、放射線の耐性を持つチップからソフトウェア技術に至るまで、神経形態学的コンピューティングの研究が数多くあったことに私は衝撃を受けた。これらは実際にニューラルネットワークのスパイクや可塑性を導入するというより、機械学習手法を活用し促進させるためのヒントやアプローチなのだと私は理解した。
NASAは2019年のフェーズ2を先月発表(SBIRリリース)したばかりなので、2020年のフェーズ2の発表はまだ先になるだろう。
SBIRプログラムは、10ほどの政府機関に数十億ドル(数千億円)が割り当てられスモールビジネスに分配されるという、図らずも米連邦政府の穴場的プログラムとなっている。詳しくはSBIR.govをご覧いただきたい。
画像クレジット:VICTOR HABBICK VISIONS/SCIENCE PHOTO LIBRARY / Getty Images
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(翻訳:金井哲夫)