経営難に陥っている北京のコーヒーチェーンLuckin Coffee(ラッキン・コーヒー)の共同創設者で会長(現在は元会長)であるCharles Zengyao Lu(チャールズ・ゼンギャオ・ルー)氏が退任した。Luckinは米国時間7月13日に、同社の共同創設者で取締役でもありCEO代理を務めていたJinyi Guo(ジニー・ゴー)氏が、新たな会長兼CEOに任命されたことをSECへの提出書類で明らかにしている(Luckin Coffeeリリース)。
13日のSECへの提出書類によると、Luckin Coffeeはルー氏、David Hui Li(デイビッド・ホイ・リー)氏、Erhai Liu(エルハイ・リュー)氏、Sean Shao(ショーン・シャオ)氏という4人の取締役が取締役会を去って、2人の新しい独立取締役が任命されたとしている。今回新たに加わったのは、China University of Political Science and Lawのビジネススクールの副学部長であるJie Yang(ジー・ヤン)氏と、法律事務所のOrrick Herrington and Sutcliffeのパートナーで、El Paso Corporationのバイスプレジデント兼中国担当カントリーマネージャーを務めていたYing Zeng(イン・ゼン)氏だ。
同社の開示は、ルー氏がLuckin Coffeeの支配権守ろうとしていた数週間の争いの後に行われた。7月初めにLuckin Coffeeの取締役がルー氏を会長から解任しようとしたが、取締役会で十分な議決権を得られなかった(South China Morning Post記事)。
ルー氏を更迭する提案は6月26日に行われたもので、内部調査の結果、Luckin Coffeeの2019年の純収益が約21億2000万元(約325億円)も水増しされていたこと、取引の捏造が2019年4月から始まっており、ルー氏や元最高執行責任者のJenny Zhiya Qian(ジェニー・ジヤ・チェン)氏、その他数名の従業員が虚偽の報告に参加していたことが判明したためだ。
Luckin Coffeeは2020年6月にNASDAQが同社の上場廃止を決定したことを明かしており、同社が5月に米国で6億5100万ドル(約698億円)の株式を公開した後、不正行為の疑いで株価が急落していた。