Netflixは本日(米国時間5月18日)、ユーザーがインターネット接続速度を把握するための新しいウェブサイトFast.comをローンチした。基本的に、ビデオの画質を決定する指標となるダウンロード速度のみに特化した簡易的なスピードテスト用のウェブサイトである。このサイトの目的は、Netflixの接続に問題があった場合に、その責任の所在を明らかにする手立てとなることだ。原因はNetflixではなく、ISPの速度低下かもしれない。
サイト自体は極めてベーシックなものだ。ウェブページを開くと、すぐにテストが開始する。クリックさえ不要だ。テスト実行中は、灰色の文字が増えていき、完了すると黒くなる。
Web上の他の速度テストサイトと異なるのは、Netflixのサイトには使用感を悪くする広告がないことだ。
サイトでリンクをクリックすれば、Speedtest.netの数字と比較することもできる。おそらく、本気で接続速度を知りたい人には、サーバを選択したり、ダウンロード速度、アップロード速度、Pingなどを表示できる、もっと適したサイトがあるだろう。
きっと、多くの一般消費者には、NetflixのFast.comで測定される数字が良いのか悪いのかもわからないだろう。ISPと契約したインターネットパッケージの内容すら覚えていないかもしれない。この新しいサイトは、自分の接続が通常より遅いかどうかがわかる類のものではないのだ。
しかし、問題があるかどうかを判断するためにサイトを訪れている人ならば、おそらくテスト後はISPに問い合わせる用意があるだろう。
少なくとも、Netflixはそう願っている。FAQには、支払っている金額に見合った速度を得ていない消費者は、「ISPに結果について問い合わせることができる」と書かれている。
Fast.comと汎用的な速度テストサイトの間にあるもう1つの違いは、テスト内容がNetflixのサーバーからのダウンロード速度だという点だ。また、ウェブ上で機能するので、タブレットや電話端末、ブラウザがあればスマートTVであっても利用できる。
Netflixのユーザーベースと使用量は年々増加しており、同社はISPが謳う接続速度について競争力を保持しつつ正直であるように働きかけてきた。すでに同社が世界中のISPをパフォーマンスに応じてランキングしたISP Speed Indexを管理している。
しかし、NetflixのFast.comはこのSpeed Indexとは異なる、と同社は言う。Speed Indexは、ピーク時間帯に行われる実際のNetflixのストリーミング配信の月間平均速度を測定するのに対し、Fast.comでは任意の時間帯にユーザー個人のインターネット接続速度を測定する。
サービスの品質を維持する上で、速度は非常に大きな影響があるため、Netflixにはこのようなツールが欠かせない。Fast.comに加えて、同社は先頃、消費者がNetflixのモバイルアプリで使用するデータ使用量を設定できる携帯端末のデータ制御ツールも提供を開始した。
Fast.comはすでにオープンし、世界中の誰でも(Netflixの会員でなくても)サイトを利用できる。
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(翻訳:Nakabayashi)