このところ劇場づいているNetflixが、米国ニューヨーク市の歴史的遺産といえるシングルスクリーンの映画館であるThe Paris Theatreの長期リースにサインした。この前にはやはりNetflixが、ロサンゼルスのEgyptian Theatreを買うという報道があった。いずれもストリーミング企業にしてはおかしな動きだが、マーチン・スコセッシやノア・バームバックのような有名映画作家との関係を今後も続けるつもりなら必要かもしれない。
いずれにしてもスコセッシの最新作「アイリッシュマン」とバームバックの「マリッジ・ストーリー」はどちらも劇場で上映され、限られた数のスクリーンに登場した。「アイリッシュマン」ではNetflixは大型封切りを望んだそうだが、大手劇場チェーンはそれを拒んだ。映画館の先行上映期間4週間は、これまでの90日に比べて短すぎる。
資金がどれだけ潤沢でも、Netflixの劇場指向はそのほかのスコセッシ級の映画作家を同社との契約からしり込みさせるだろう。ここで問題なのは、このような封切り形式が映画をメジャーな賞の受賞から遠ざけるかもしれないからだ。「アイリッシュマン」と「マリッジ・ストーリー」は3つのオスカーを取ったが、作品賞は逃した。
そこで劇場を自力でリースすれば、Netflixはその映画が大画面で封切られることを保証できるし、派手な封切り記念行事でも何でも主催できる。Paris Theatreは1948年にオープンし、今月始めに「マリッジ・ストーリー」の上映で再オープンした。個人的には、「マリッジ・ストーリー」は、映画館の大画面で見ることを強くお勧めする。私はすでに二度見た。
Netflixのコンテンツ最高責任者(Chief Content Officer、CTO) であるTed Sarandos(テッド・サランドロス)氏は声明で「71年を経てParis Theatreは今や永遠の歴史遺産であり、今でも、映画を見に行くというあの独特の生活行為の目的地である。この歴史的なニューヨークの建物を、映画ファンのための映画の家として保存することは、私たちの最高の誇りである」と述べている。
画像クレジット: Marion Curtis/Netflix
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa)