Neverthinkは本当にリラックスしたいとき向けのオンラインビデオだ

Neverthinkは既に、最も「お気楽」なオンラインビデオ体験を提供できているかもしれない。このサイト(と、今日(米国時間3月1日)からはiOSアプリも)はコンテンツをYouTube、Reddit、その他の場所から集めて来て、スキップできないチャンネル群として再パッケージするものだ。その結果はまるでテレビのような経験を与えるもので、その開発者に言わせれば、オンデマンドビデオというよりも「オンデマンド気晴らし」のようなものだ。

「人びとがオンラインビデオを見るのは、単に気晴らしを求めているのが主な理由だと、私たちは考えています」。こう語るのはNeverthinkの共同創業者Aviv Junnoだ。「1日の仕事を終えて気持ちをリフレッシュするためや、何かをしているときになんとなくバックグラウンドで流したり、トイレの中や通勤途中などで見たり。そんなときに人は、何か特定のものや完璧な動画作品を見たいと思っているわけでもありません。私たちはNeverthinkをそうした時間のために作りました」。

さて、ではどんな種類のチャンネルがNeverthinkには用意されているのだろうか?私が数えたところ、スポーツや音楽、そしてアートやドキュメンタリー、ニュース、そしてテクノロジーに至るまで合計30のチャンネルが用意されていた。しかし、その中には「YOLO(You Only Live Once=どうせ人生1度きり)」とか、「Learn something(何かを学ぶ)」とか、「Futurism(未来派)」といった曖昧なタイトルのチャンネルも用意されている。全くもってミレニアル世代の雰囲気を感じさせるものだ。

ということで、これらのチャンネルは、スキップしたり繰り返し見たりすることのできない、古き良き時代のブロードキャストテレビを真似たものなのだ。つまり操作できるのはチャンネルのザッピングだけということになる。テレビに対してちょうどそうするように。

もともとはJunnoと共同創業者のClaus Nurroによって、自分たちで使うためのサイドプロジェクトとして開発されていたものだ。Neverthinkは自動的にコンテンツをRedditとYouTubeから集めてくるだけの基本的なサイトから、2人が言うところの「ユーザーの定量的フィードバックに基き、それぞれのチャンネルを継続的に最適化する学習型コンテンツ管理システム」へと進化を遂げてきた。

またスタートアップは、現在編集チームを抱えている。つまり全てのチャンネルは人手によるキュレーションを受けているのだ。「それに加えて、パートナーたちによってキュレーションが行われるパートナーチャンネルも用意されています」と、NeverthinkのJunnoは芽生えつつあるビジネスモデルを説明しながら語った。同社は1つのパートナーチャンネルに対して、1000回訪問者がある度に収入を受け取ることになっている。

彼はまるで秘密を明かすかのように「この製品は、ちょうどテレビのように、本当に皆のためのものなのです。しかし特にテレビの経験を持たない若い世代は、これを驚くべき革新的アイデアだと考えるようです」と付け加えた。「(私たちのような)子供の頃にテレビを見ていた人たちは、懐かしい感覚を楽しみますし、より高齢の人たちはとても喜んでくれます、なにしろYouTubeでどのようにビデオを選べば良いかに戸惑うような人もいますし、多くの高齢者はRedditのことだって知りませんからね。そこでNeverthinkが彼らのために最初のアクセスを提供できるのです」。

Neverthinkの創業物語もまた興味深いものだ。この製品は、決して法人化を狙っていたものではなかった。しかし昨年の11月に全てが変わった。サイトのごく初期の版がProduct Huntに投稿されたころのことだ。このときJunnoはReaktor VenturesのマネージングパートナーであるOskari Kettunenに出会った。

「それはNeverthinkとは関係のない、カジュアルなミーティングだったのです。そしてミーティングの最後の最後に、私は彼にプロジェクトの話をしてサイトを見せました」とJunnoは説明した。「彼はそれを気に入って、データを見たいと言ったのです。そこでGoogle Analyticsを使って彼にデータを見せました」。

そして、全く期待されていなかったことだが、KettunenはJunnoに、すぐに10万ドルを投資するから、Neverthinkを法人化しないかと持ちかけたのだ。「私はイエスと答え握手をしました。私たちはそのように始めたのです」と彼は言った。

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(翻訳:Sako)

投稿者:

TechCrunch Japan

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