NFLがRFID技術を積極的に活用しようという動きを見せつつあるようだ。ゲーム中の選手たちの動きを、より具体的な形でファンやコーチ、あるいはプレイヤー自身に提供しようと動き出しつつあるらしい。2014年シーズン、Zebra Technologiesのトラッキングシステムを採用し、17のスタジアムで情報収集を行うことにしたのだそうだ。情報トラッキング用のデバイスは選手のショルダーパッドの中に埋め込まれる。各選手のポジション、速度、移動距離、移動の際の加速度などの情報が入手できるようになる。
また、個人の動きについてのデータのみでなく、たとえばふたりのプレイヤーの距離などのデータをリアルタイムで取得することもできる。すなわちワイドレシーバーと、その選手をカバーする役割にあるディフェンシブバックの距離も即座にわかるようになっている。たとえばこの情報をテレビで流せば、テレビ観戦がより一層おもしろくなることだろう。もちろんコーチなども本データを活用して戦略を練りなおしたりすることができるはずだ。
今回の例でも示されているように、スポーツはますます「繋がった」(connected)ものとなりつつあるようだ。ビッグデータがプレイの質を変えつつあるという面もあるだろう。どうしても主観の入り込む個人的評価ではなく、センサーによって得られるデータを重視するようになってきている面も多いようだ。こうしたデータを提供することで、「セカンドスクリーン」の世界がより重要なものへと成長していくことになる。またこうしたデータに基づいて、プロフェッショナルスポーツの運動生理学的な研究も進むことになるのだろう。
アメリカンフットボールというのは、常にテックとともに成長してきたという面もある。Zebra Technologiesのセンサー技術がまずアメリカンフットボールに導入されたのも、ある意味で当然だということができよう。他のスポーツにも広がっていくのかどうか、注目していきたい。さらに、こうした「リアル」な情報分析が、多くのファンを抱えるファンタジーフットボールなどのビデオゲームにどのような影響を与えていくことになるのかも楽しみな点だ。
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(翻訳:Maeda, H)