Nvidiaのカードは機械学習のワークロードを動かすためのデファクトスタンダードだが、今日(米国時間12/8)同社は、また新たな、ハイエンドのコンピュート専用型カードを陣容に加えた。Titan Vがそれだ。このカードはNvidiaのVoltaアーキテクチャがベースで、211億個のトランジスタを載せた815平方ミリメートルのチップだ。計算性能はきっちり110テラフロップスである。
もちろん、これだけのパワーはお安くない。12GBのHBM2メモリを搭載したタイプで小売価格は2999ドルだ。でも単独のパワーで比較すると、1299ドルだった前の機種Titan Xpの9倍となる。
しかしそれでもこれは、Nvidiaの最強のカードではない。その栄誉は今でも112テラフロップスのTesla V100が握っている。その小売価格は1万ドルに近い。でもそれは、Nvidiaの最強のPC用GPUだ。Titan VとV100は、共通している部分も多い。Titan VのコアはV100 GPUだが、メモリが少なくてメモリバスも狭い。
Titan Vのローンチは、かなりのサプライズだった。NvidiaのCEO Jen-Hsun HuangはNIPSカンファレンス(12月4-9日)のキーノートで、新しいハードウェアの発表をすると期待されていなかったようだ。
でも、Titan Vは発表された。Huangは述べる: “Voltaのビジョンは、ハイパフォーマンスなコンピューティングとAIの限界を押し広げることだった。その新しいプロセッサーアーキテクチャでは、プロセッサーの命令や数値の形式、メモリのアーキテクチャ、プロセッサーのリンクなどで新しい地平を開いた。そしてTitan Vでは、Voltaを世界中の研究者や科学者の手に渡したい。彼らによる画期的な発見が、待ち遠しい”。
このカードもまさしく標準的なPCI-Eのビデオカードだから、PUBGをプレイすればごきげんだと思うが、でも主な想定ユーザーは科学的シミュレーションや機械学習のモデルの構築にこのような並列処理のパワーを求めていた研究者たちだ(もちろん暗号通貨のマイニングにも使えるだろう)。Titan Vは5120のCudaコアを載せているだけでなく、機械学習ワークロードの高速化に向けて最適化された640のTensor Core〔行列演算器〕もある。