友人の一人は、持って生まれなかった足の代わりに水圧式の金属のジョイント技術を用いた義肢を使いこなしていた。しかし、その義肢にはスマートな機能はなく、それにより彼の生活には多くの制限があった。彼は車を運転するのにフットベダルではなく、ハンドルだけで操作できる車を利用したりしていた。義肢の市場はこれまでの15年間で進歩を続けてきたが、今私たちはここにきて技術の躍進を目撃することになるだろう。脳、つまり意識だけでコントロールできる実用的な義肢が確かに現実のものとなろうとしている。
装着する人の中枢神経と義肢を連携し、コントロールする技術の開発ストーリーはこれまでもあった。それらの多くは、研究室などの特定のコントロールされた環境の中で行われることがほとんどだったが、毎日の生活の中で起きる不便さや困難は、それとは全く違うものでもある。今日、アイスランドの企業 Ossur( Popular Scienceの記事より)は、脳でコントロールできる義肢の大規模な臨床試験を開始すると発表した。彼らのプロダクトにはProprio footがあり、それは筋電位センサーを体内にインプラントすることで、装着している人の考えと機械の義肢とをつなげている。
Ossurのテクノロジーは先進的なもので、最小限のインプラント手術(15分程度で完了)で患者は、意図と動作のタイムラグがほぼ感じられないほど、義肢を思い通りに操作することができる。装着した人は、他の一般的な義肢では成し得なかった多くの自然な動きを行うことができるようになり、今ある筋肉や身体のパフォーマンスと健康の促進にもつながる。
Ossurの提供するソリューションが実用性に優れているのは、体内に入れたセンサーはバッテリーや他の電力を必要とせず、定期的に取り替える必要もない、一生を通して使えるように設計されていることも挙げられる。彼らの小規模な検証では、プロダクトが有用であることを証明してきた。これから始める規模の大きな実証研究でOssurは、このデバイスを次の3年から5年内により大きな市場へと送り込むビジョンに近づくだろう。
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