Pinterestが、特定のジャンルに応じた「ハブ」サイトを作成・運営するためのの実験として、「Pinterest for Teachers」を立ち上げた。URLもそのままpinterest.com/teachersとなる。もちろん9月からの新学期を意識してタイミングをあわせたものだ。Pinterest側も、他の関心分野についてもハブ化を推進する意味があるかどうかをテストする意味もあるのだと述べている。
この教師向けのハブサイトは数週間前に立ち上げられた。公式アナウンスやプロモーション以前に1300人が利用を開始したのだそうだ。8月13日のPinterestブログの記事により、公式デビューを果たしたと考えて良いのだろう。
ちなみに、このハブサイトを開設するにあたり、Edutopiaの協力も仰いだとのこと。Edutopiaというのは教育者向けのオンラインリソースを集めたサイトだ。ハブサイトには開設時点で19のボードがあり、プレスクールないしエレメンタリースクール(K-6)の教師向けのボードもある。またアート、科学、算数などといった科目毎のボードや、教室の装飾方法やおすすめブログなどを集めたボードもある。それぞれのボードのメンテナンスは、教職についているPinterestユーザーによって行われる。管理者のほとんどは、自前の教育関連サイトやブログも運営しているようだ。Pinterestによれば、この教師用ハブは、分野についても対象学年についても拡大していきたいと考えているとのこと。
分野別ハブ構築の様子をみるのに、まず教師用ハブの構築からスタートしたのは、ちょうど新学期間近の季節だからというだけではない。Pinterestの利用者には、Pinterestのサービスを利用して教育関連ツールや各種TIPS、教育プラン、図画工作素材などの情報交換を行っている教師たちがたくさんいるのだ。Edutopiaも、Pinterestは教師たちの情報交換の場所としてトップ5に入るサービスであると述べている。その言葉を裏付けるように、教育関連pin数は日々50万以上にのぼるのだそうだ。
尚、今回アナウンスされたハブサイト化への動きも、一連のコンテンツ・レコメンデーション機能のひとつとして理解することができる。6月以来、Pinterestはさまざまなレコメンド機能を実装しつつある。また、それにあわせてオプトアウト(do not track)のための仕組みも提供し始めている。サービス全体を「パーソナライズ」しようとする動きとしてとらえることができよう。こうした機能はモバイルアプリケーションでも実装されてきている。
もちろん、「Pinterest for Teachers」ハブがすなわち「パーソナライズ」の動きとイコールであるわけではない。ただ、「パーソナライズ」した情報を提供するための「きっかけ」としてハブを機能させたいと考えているわけだ。どのようなサービスなのだろうとアクセスしてきた人を受け入れるのがハブの役割のひとつだ。アクセスしてきた人の中には、誰をフォローしてどのようなページを見れば良いのかとレコメンドを欲しがる人もいるだろうし、また気の向くままにページを見て回りたいという人もいるだろう。そうした利用者のとっかかりとしてハブサイトを提供することにより(ハブサイトを見て回るだけならばアカウント登録も必要ない)、ちょっと訪問してみただけという利用者にも、サービスを一層深く利用してもらえるきっかけになればと考えているわけだ。
ハブを提供するという考えがうまくいくのかどうか、Pinterestは実験をしているところだ。pin数がどうこうというのではなく、エンゲージメントの具合やフィードバックの様子、ブログ記事への反応、あるいはFacebookページへの投稿などを総合して判断したい考えだ。
他ジャンルのハブについては、まだ何のアナウンスもない。しかしグルメ、ファッション、デザイン、テクノロジー、およびアウトドアといったジャンルに興味のある利用者は非常に多い模様だ。ハブ化というアイデアがうまくいきそうだとなれば、きっとそうしたジャンルでハブサイトを提供してくるに違いない。
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(翻訳:Maeda, H)