Pinterestに写真から検索して買い物できる機能が加わる

商品をPinterestで紹介する小売業者が増える中、Pinterestは米国時間6月1日から「レンズ」機能に新たに「Shop」タブを設けた。これはユーザーがオフラインで撮った写真やスクリーンショットから、それに似たものを検索して在庫のある商品を表示する機能だ。

この新しいタブを使うには、検索バーにあるカメラのアイコンをタップし、写真を撮影するかアップロードする。するとShopタブに購入できる商品のピンが表示され、価格や在庫状況のほか販売業者の購入ページへのリンクも表示される。

レンズは、もともとはユーザーが実際の店舗や出かけた先などで見た商品を探すことを意図した機能だったが、これからはこの機能を使って家にいながらにして商品を見つけられるとPinterestは提案している。例えばランニングシューズを買い換えるなら、今履いているお気に入りのシューズの写真を撮るか、あるいはスマートフォンのカメラロールやブログなどのプラットフォームから写真をアップロードすればいい。

Pinterestによれば、カメラを使ったビジュアル検索の件数は2019年と比べて3倍ほどになっているという。このことから、買い物をする際にスマートフォンのカメラを使うことにユーザーが慣れてきたと言える。同時に、Pinterestが最近取り組んできたこととつながっている。

例えばこの半年間、Pinterestでは女性向けファッションで検出される属性の数を2倍に増やした。色、柄、生地、ドレススタイル、長さ、テクスチャー、ブランド、ネックライン、靴のヒールの高さ、場面、スタイル、シーズンなどだ。ファッション関連製品の検索では、この1年で精度が50%以上あがったと同社は述べている。

Shopタブの登場は、Shopifyとの連携に続くものだ。この連携により、中小企業は商品カタログをPinterestにアップロードして3億5000万人のユーザーにリーチできるようになった。さらに米国時間5月18日には、インフルエンサーやパブリッシャーがトレンドを紹介する「ショッピングスポットライト」を発表していた。

レンズ機能のShopタブは、PinterestがGoogle(グーグル)に対抗する手段のひとつだ。グーグルは4月に商品検索機能を変更(未訳記事)して、有料広告ではなくほぼ無料のリスティングにした。また、Googleレンズでは写真で検索して見つけた商品を購入することができる。

ShopタブはInstagramへの挑戦でもある。Instagramは写真で見つけた商品と購入者をつなぐショッピングサービスを着実に成長させ、Instagram内で購入手続きを進められるようにしている。小売大手のTargetがこの機能を5月に採用した。これはFacebookとInstagramが、FacebookページやInstagramのプロフィールから直接買い物ができる「Shop」を開始したのと同時期だ。

こうした各社の取り組みは、新しい買い物のトレンドを表している。消費者は、商品の長いリストを延々スクロールするのではなく、写真や画像をヒントに購入したいと思っている。このように画像から始まる買い物は結果として、店を見て回り、目を引くようにデザインされたディスプレイに出あうのと似た感覚の体験になる。

Pinterestの新しいShopタブは、米国時間6月1日から公開されている。

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(翻訳:Kaori Koyama)