Podcastleはポッドキャストの制作から公開までできるオールインワンのプラットフォーム

最近の主要ポッドキャスト制作プラットフォームとしてはAnchorとDescriptが有名だが、バックミラーにはPodcastleが見え始めている。Podcastleは録音、制作、公開をすべてカバーするオールインワンのプラットフォームだ。

PodcastleはRTP GlobalとPoint Nine Capitalが共同で主導したアーリーステージのラウンドで700万ドル(約7億8000万円)を調達した。S16 VCと、以前に投資したSierra VenturesとAI Fundも参加した。

Podcastleは急成長中のクリエイターエコノミーに参入している。あるレポートによるとクリエイターエコノミーの規模はおよそ1042億ドル(約11兆6000億円)と評価され、最近では200万以上のポッドキャストが存在する。

Podcastleによれば、これまでに約15万人のクリエイターが同社を利用し、その数は急速に増えているという。コンシューマクラスのマイクでスタジオ品質のリモートインタビューをする、マルチトラックで録音と編集をする、ポッドキャスト中の話し言葉を切り出して聴きやすくするなど、ポッドキャストクリエイターが簡単に使えるツールを備えているためだ。また、テキストを読み上げて話し言葉にしたり、逆に話し言葉をテキストにしたりして、クリエイターはオーディオをテキスト書類のように編集できる。

以前はPicsartのエンジニアリング担当VPで、現在はPodcastleの創業者でCEOのArtavazd Yeritsyan(アルタヴァズド・イェリツィアン)氏は次のように述べた。「2022年に1日あたりの平均視聴時間は1時間37分になると予想され、ポッドキャスト業界はストーリーを伝える上で最も影響力のあるカテゴリーの1つになります。Podcastleは技術的な障壁をすべて取り除き、クリエイターがほんとうに大切にしなくてはならないこと、つまり人々と共有したいコンテンツの制作と配信に集中できるように努めています」。

同氏は、Descriptは編集ツールだがPodcastleは「創作」プラットフォームに近く、クリエイターはこのプラットフォームでリモートインタビューをしてそのまま編集もできるという。「MicrosoftのドキュメントとGoogleドキュメント、あるいはSketchとFigmaを比較するようなものです。この例えでいうなら、我々はGoogleドキュメントでありFigmaです」と同氏は筆者に語った。

RTP GlobalのマネージングパートナーであるAlexander Pavlov(アレクサンドル・パブロフ)氏は次のように述べた。「ポッドキャスティング市場は2020年に114億6000万ドル(約1兆2700億円)に達し、Podcastleは意欲の強いホストとクリエイターを満足させる統合ソリューションを提供しています。我々はこのプラットフォームには大きな可能性があると見ており、Podcastleのこれからの成功を支援できることをうれしく思っています」。

Point Nine CapitalのパートナーであるLouis Coppey(ルイ・コッペイ)氏は次のように述べた。「Point Nineは近年、パリのPlayPlay、ロンドンのGravitySketch、ブダペストのShapr3Dといったクリエイティブソフトウェアに投資してきました。この3社はビデオ制作やVR、3Dのデザインを徹底的に平易にしています。Podcastleはオーディオコンテンツ制作の民主化への道を開いています」。

Podcastleは4種類の料金プランを用意しており、基本的な機能は無料で利用できる。

画像クレジット:Podcastle team

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(文:Mike Butcher、翻訳:Kaori Koyama)

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TechCrunch Japan

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