私たちが先月報じたように、オンデマンドの配達アプリを展開するPostmatesが追加の資金調達を完了したことを発表した。リード投資家はFounders Fundで、既存投資家も本ラウンドに参加している。同社は今回のラウンドで1億4000万ドルを調達したことを発表し、資金調達後のバリュエーションは6億ドルとなる。また、同社の取締役会にFounders FundのBrian Singermanが加わることも同時に発表している。
かつてはホットな投資カテゴリーだったオンデマンド分野だが、最近ではその分野に対するVCの視線は冷たくなった。オンデマンド分野のスタートアップの多くが利益をあげることができていないからだ。特にPostmatesに対するVCの態度は非常に厳しいものだった。
しかし今年の初旬ごろ、私たちはPostmatesの売り上げが加速していること、そして彼らのビジネスが十分な粗利益率をもっていることを伝えるプレゼン資料を手に入れた。配達料金以外のマネタイズの方法を見つけたからこそ達成できた数字だ。Postmatesに登録している店舗は追加料金を払うことで、アプリの中のより有利な位置に店舗情報を表示できるだけでなく、25ドル以上の買い物で配達料が無料になるという会員制サービスのPostmates Plus Unlimitedで自分の店舗を特集してもらうことができる。現在約6000の店舗がこの制度を利用しているという。また、AppleやStarbucksなどの企業からはPostmatesのAPIを彼らの注文プラットフォームに統合するための料金を受け取っている。
「私たちのビジネスモデルはとてもユニークなものであり、そのおかげで利益率を犠牲にせずにビジネスを急速に成長させることが可能なのです」とLehmannは私たちに話してくれた。
現在、同アプリは月間で150万件の配達実績をもっており、Postmatesで成長戦略部門のバイスプレジデントを務めるKristin Schaeferによれば、彼らが「望みさえすれば」来年にも黒字化を達成できる見込みだ。しかし、今回調達した資金に関しては、エンジニアの強化や新マーケットへの拡大のために利用する予定だと彼女は話す。Amazon Primeとの競合関係についてSchaeferは、「Unlimitedは私たちがもっとも期待を寄せているプロダクトです」と話し、UnlimitedはAmazon Primeにも負けないサービスだということを強調した。
しかし、競合はAmazonだけではない。今ではDoorDashやGrubHubなど無数の配達アプリが存在するだけでなく、Uber EatsをリリースしたUberも強敵だ。
「マーケットの主導権を握るために、そして、それを守っていくために私たちは今後アグレッシブな戦略をとっていきます」とLehmannは語る。
Postmatesが買収によるエグジットを検討しているという噂もあったが、それに関しては同社はコメントを控えている。
IPOについては、「私たちが検討している選択肢であることは間違いない」とSchaeferは話しながら、それは少なくとも2年後になるのではと示唆していた。
Lehmannは、「IPOは1つのオプションだが、2017年に上場することは考えていない」と話している。
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(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter)