Raspberry Piのファウンダー、Eben Uptonは、このワンボードパソコンを巡るエコシステムを拡張すると思われるハードウェアを披露した ― それはタッチスクリーン・ディスプレイ。
つまりこれは、DIY “Pi Pad” の準備が整ったという意味だ。
「われわれはRaspberry Piをやっている間中、ディスプレイがやってくる、ディスプレイがやってくると言い続けてきた ― そしてついにやってきた」とUptonは言った。
「これはわれわれが初めて作るディスプレイパネルで、今年の末か来年の始めには出荷したいと考えている」と彼は付け加えた。
Uptonは、TechCrunchのJohn Biggsとのステージインタビューでこの話をした。彼は7インチのVGA静電容量タッチパネルを披露した。Piと組み合わせると、少々分厚いタブレットが出来上がりそうだが、タブレットには違いない。
あるいは、他の形のタッチパネル付き埋込みPi駆動プロジェクトか。Pi Foundationは明らかにそれを主要な応用分野として意識している。
「それは一種のタブレットである。非常に分厚いタブレットを我慢できるなら」とUptonは語り、Piとディスプレイを重ね合わせた様子を見せた。「要するにRaspberry Piの上に乗っかることになる。これを何かに埋め込めるということだ」
2年ほどの間に、400万台ものRaspberry Piが販売された ― これは当初同社が、一生のうちに1万台のPiを売れればいいと考えていたことを考えると驚くべき数字だ。
来たるベきタッチスクリーンパネルを得てThe Pi Foundationは、新たなDIYハードウェアが加わることによって、あのPiの販売を推進したクリエイティブの火が燃え続けることを願っている。
Uptonは、低価格モデルのModel A Pi(価格は25ドルで、上位機種のModel Bは35ドル)は失敗で、Model Bの400万台に対して10万台しか売れなかったと語った。しかし、Model A+ボードで巻き返しをはかっている。
「近々A+の発表を行う予定だ。非常に面白い製品になると思っている」と彼は言ったが、ボードがどう改善されるのかは詳しく語らなかった。
最近FoundationはModel Bボードのアップグレード版としてB+を発売し、USBポートの増設、コネクターピン数の拡大、SDカードスロット、低消費電力、オーディオの改善、その他の拡張が行われた。
Pi Foundationの当初のミッションは、子供たちがプログラミングを学べる低価格マイクロコンピュータを作ることだったが、このハードウェアは作り手コミュニティーによってはるかに広く利用され、様々なクリエイティブなプロジェクトや全く新しいスタートアップまで生まれた。
壇上でBiggsとUptonは、そんな会社のひとつでPi Model B+をベースに作られた、Pi Topを紹介した。3DプリントされたPiベースのラップトップだ。
「この連中がRaspberry Piとは直接関係を持っていないのが、いいところ」とUptonは言った。「Piを使って何かを作った数多くのグループの中の1つだ。現在Indiegogoで募集している」
会話の中でUptonは、ハードウェアプロジェクトをやるに当たって、コミュニティーを作ることの重要さについて語った ― フィードバックを受け取り、それを製品開発サイクルに反映させて、コミュニティーが本当に欲しがっている製品を作るためだ。
「われわれはコミュニティーに向かってこう言った、『ぼくたちは25ドルのコンピュータを作っていて、こんな機能があって、USBポートは1つだけでネットワークはついていない』。人々からの最初の反応を見て、これはUSBハブとネットワークアダブターが必要になる、だから25ドルではなく50ドルのコンピュータになると思った。そしてそうなった。Model BとこのModel B+の間に変えたことは、基本的に全部がコミュニティーからの不満が元だった」とUptonは言った。
「[妻の]Lizはフリーランスのジャーナリストだった。彼女はそれをやめてコミュニティー作りを始めた。だからわれわれは、本格的なエンジニアリングを始めるずっと前からコミュニティー関連の仕事をしていた。そしてそれが非常に有効だったことがわかった。なぜなら、製品にワクワク感が生まれ、数多くのフィードバックを得られるからだ」
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)