Salesforceがワードプロセッサアプリを提供するQuipを7億5000万ドルで買収

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Salesforceは基本的なCRM以上のクラウドベースのアプリケーションやサービスを顧客に提供するために景気の良い買収を続けている。同社はクラウドベースのワードプロセッシングアプリケーションを提供するQuipの買収を発表したばかりだ。Quipは元Facebook CTOのBret Taylorによって設立された会社である。私たちは取引に近い2つのソースから、買収総額が7億5000万ドルであるという情報を掴んでいる。

取引は現金と株式で行われる、発表されたばかりのSalesforceのSEC向け報告資料(8-K)によれば「保有するQuipの株式の総額はおよそ5億8200万ドルとなった。これにはSalesforce Venturesによる既存のQuipへの投資は含まれない」ということである。

Quipは2012年に設立され、(マーク・ベニオフとSalesforce Venturesに加えて)Peter Fenton、Benchmark、Greylock、そしてYuri Milnerといった面々を含む投資家たちから4500万ドルを調達した。Quipは既にその顧客たちから、Taylorが以前所属したFacebookなどと並ぶ重要な会社だと見なされている。

このニュースに触れたブログの中で、QuipはSalesforceの傘下でビジネスを継続することを述べている。私たちはTaylorと共同創業者のKevin Gibbs(Google出身)の両者が買収後も留まると考えている。

「私たちは、この先に開ける可能性に刺激されたのです、Salesforceの一員となることで、いっそう速く私たちのサービスを拡張して、全世界の何百万という人たちに届けることができる - それはサービスを立ち上げた初日からの私たちのミッションでした」と彼らは述べている。「そして、私たちはSalesforce Customer Success Platformを私たちの次世代生産性向上機能と共に拡張することができるのです。データとコンテンツ、そしてコミュニケーションの融合の可能性には目を見張ります」。

成長を続け、VCからの資金調達に関しても羨まれるようなポジションにいたQuipが、Salesforceに買収されることを選んだ理由は明らかではない。しかしこの買収はエンタープライズマーケットで私たちが見ている合併の中でも、そしてそして買収を仕掛ける大きな企業をどのように変えていくのかという点でも、興味深い動きの1つだ。

周知のように、Salesforceは今年の初めに、最後はMicrosoftの腕の中に260億ドルで飛び込んだソーシャルネットワーキング企業のLinkedInを買収しようとしていた。SalesforceとMicrosoftは時に協業する一方で、競争もしている。QuipをSalesforceに加えることはSalesforceにとって競争を優位にする材料の1つとなるだろう(またそれは、CRM機能でSalesforceと競合するプロダクトの開発と買収を進めるMicrosoftとの釣り合いをとるものとなる)。

Quipが当初モバイルネイティブアプリのみで始まったとき(現在はデスクトップならびにWebバージョンもある)、私の同僚のJoshは、これは使い難くて支配的なMicrosoft Wordに対する、タイムリーな破壊者だと形容した。

そのプラットフォームにさらに多くの顧客を引き寄せ(そしてMacrosoftから離れさせ)るための幅広いプロダクティビティサービスの品揃えの1つを加えるという目的には、Salesforceはこの買収で十分な手を打てた。けれども支払われた金額の大きさと、Quipチームの参加が取引の一部であることを考えると、さらにより大きい何かをすることを目指していることがあり得ると思う。

(それが上手くいくかどうかはまた別の問題だが、Salesforceをこれまで悩ませていたのは、獲得したものを如何に統合するかだった。それらは真に統合されるというよりも、しばしばボルト留めされてきた、というのが私の聞かされてきた話である。なのでこの先Quipがどのようにやっていくかを見ていくことは楽しみだ)。

いずれにしても、Taylorにとって多忙な夏になりそうだ。Quipの買収は、彼がTwitterの取締役になって1ヶ月後に行われる。

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(翻訳:Sako)

投稿者:

TechCrunch Japan

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