現在、商品配送用ドローンの話題は空に集中している。配送がもっとも困難になる「最後の1マイル」問題を解決するのに有効なはずの地上を走るドローンについては、理由は定かでないが、ほとんど言及されることがなかった。しかしその事情は変わった。
Skypeの2人の共同ファウンダー、Ahti HeinlaとJanus Friisはエストニアを本拠とするスタートアップ、Starship Technologiesを設立し、点滅するLEDライトを備えた走る冷蔵庫のような外観の配送用土ローンを開発中だ。
HeinlaとFriisは大産業を根底から破壊する方程式を知っている。そのことは音楽におけるKaZaAやテレコム事業におけるSkypeの例で明らかだ。Starshipの経営陣には2人の他にAllan Martinson((COO)とKeith Cornell(CCO)が参加している。このスタートアップはロンドン、エストニアのタリン、フィンランドのヘルシンキに30人の社員を配置している。
Starshipドローンは生鮮食品、医薬品、衛生用品その他の小型で軽量の商品を郊外住宅に届けることを目標としている。地上を走るドローンには空を飛ぶドローンに比べて決定的な利点がある―飛行機と衝突したり墜落して地上に被害を及ぼしたりするおそれがないのだ。
顧客がオンラインで注文を出すと、自動的にStarshipドローンの「ポータブル倉庫」に必要なアイテムが搭載される。 走るポータブル・コンテナはショッピング・モールの搬入口や商店の駐車場など、便利な場所ならどこにでも設置が可能。必要な商品を搭載したStarshipは歩道を時速4マイル(6.5キロ)で走る。航続距離は約2マイル(3.2キロ)で、目標は商品を目的地まで30分以内に届けることだ。
顧客はドローンの現在位置を専用アプリでモニターすることができる。ドローンが自宅前に到着したらそのアプリを使ってボックスのカギを開けて商品を取り出す。電気モーターを備えた6輪車は低消費電力で、基地に戻れば短時間で充電できるという。また低い階段も登れる。現在テストされているプロタイプには顧客と販売員が会話するためのマイクとスピーカーが装備され、パッケージは最大40ポンド〔18kg〕まで運べる。スーパーの大判の買い物袋2つ分というところだろうか。
現在アメリカではUPSが年間40億個の荷物を配送しているという。 Starshipが革命を起こそうとしているマーケットは十分に大きいようだ。【中略】
この地上走行ドローンは1回1ドル程度のコストで運用できるという。これは人間が処理する場合の15分の1の費用だ。当局による規制は大きなハードルだが、Starshipでは飛行ドローンの場合に比べれば問題にならないくらい容易にクリアできると考えている。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)