SlackのAPIがアップデート、メッセージボタンでのタスク実行が可能に

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経費の承認、締切日の設定、フライトの確認など、Slackから他のエンタープライスツールに対し、この新しいMessage Buttons(メッセージボタン)からタスクの実行ができるようになる。Slackは、12月にローンチAPIにこれまでで最大のアップデートを施した。職場でいつも開いて使うポータルの立ち位置を確立したい考えだ。

例えば、「/kayak flights from NYC to BOC on 6/23」と入力するとフライトの選択肢がいくつか表示され、価格が変わった時にアラートするよう設定できる。

この新メッセージボタンは、12のアプリとデビューを飾る。コラボレーション・プラットフォームTrello、トラベルサイトKayak、人材管理サービスGreenhouse、ビジネス・インテリジェンスサイトQualtrics、コンタクトセンター用ソリューションTalkdesk、障害管理サイトPagerduty、AIショッピングアシスタントKip、プロダクティビティ・ツールKyber、GIFシェアアプリRiffsy、経費アプリAbacus、会計パッケージCurrent、ヘルプデスクアプリのTalkusだ。Slackはアプリディレクトリで入手できるアプリは500個になったとし、そこから随時対応アプリを追加していく計画だ。

この新機能からSlackと開発に関してのトレンドが見て取れる。

Slackは現在300万デイリーアクティブユーザーを抱え、93万人以上のユーザーは有料プランを利用しているという。平日5日間で平均10時間の利用があるという。Slackは継続的にサービス開発を進め、ユーザーがより長い時間使用するプラットフォームを目指す。

これは、Slackのビジネスモデルにとって重要なことだ。フリーミアムモデルを採用しているので、基本機能のアクセスには料金が発生しない。ストレージや他の機能を使いたい場合は、料金を支払う必要がある。 Slackにアプリのタスクを実行する機能をつけることで、ユーザーはSlackを使い続け、Slackを去る理由が少なくなるだろう(ユーザーがSlackをより多く使うことでストレージ、セキュリティー、アーカイブ機能のある有料プランに移行する理由も出てくる)。

また、「ボット」の急成長をSlackは自社の力にしたい考えが見て取れる。基本的なボットは自動でタスクを実行するミニアプリで、ユーザーをアプリ内の一連のアクションで導くものだ。ボットはFacebook Messengerといったメッセージアプリ、スタンドアローンのサービスSaphoなどに導入されていてる。Saphoは、ボットを組み込むことを想定していなかったソフトウェアのためにボットを開発している。今回の機能追加でSlackはこのボットのトレンドに対する姿勢を明らかにした。

Slackで各アプリがどう機能するかの詳細は以下の通り:

  • Trello:
    ビジュアル・コラボレーションツールで、どんな規模のチームでもプロジェクトの進捗を共有するサービス。Slackからカード作成、チームメンバーの招待、締切日の設定、カードに詳細情報の追加などが可能に。
  • Kayak:
    世界屈指のトラベル検索エンジン。Slackからフライト、ホテル、レンタカーの検索ができる。他にもFlight Trackerツールからフライトの更新情報を瞬時に取得したり、Price Alertで予約したいホテルやフライトの価格変更を通知で受け取ったりすることができる。
  • Greenhouse:
    適切な人材の応募、インタビュー、採用、オンボーディングのためのサービス。Slackユーザーは、別のユーザーや特定のSlackチャンネルに採用に関する通知を設定することができる。例えば、承認、新規候補者、新規の紹介、代理店からの提案、スコアカードの締切日などだ。
  • Qualtrics:
    Qualtricsは、インサイトの取得とそれに基づいた行動を喚起するサービス。QualtricsアプリはSlack上でミニアンケートの作成と送付ができ、フィードバックがすぐに得られるようにする。1-j4hgf6wm_GrW-xgn3QnZWw
  • Talkdesk:
    SlackとTalkdeskの強力なコンタクトセンター・ソリューションの統合で会社の内部と外部のコミュニケーションをシームレスにつなぐ。
  • PagerDuty:
    アジャイル障害管理ソリューションでITOpsやDevOpsのモニタリングスタックと連動する。イベントを集約し、それらを関連付けることで行動に移せるアラートを出す。運用の信用性と俊敏性の改善につなげる。
  • Kip:
    チームでの購入のためのAIアシスタント。オフィスのアシスタントやマネージャーが、オフィス関連用品の注文を集める時間とストレスを軽減する。
  • Kyber:
    Slackで初の会話型プロダクティビティツール。プロジェクト管理、カレンダー、リマインダー、todoリストを提供。チームのプロジェクトの立案と進捗の確認、ミーティングへの招待、タスクのアサイン、todoの管理、リマインダーやイベント情報の通知を設定できる。
  • Riffsy:
    Riffsyは最もダウンロードされているGif共有アプリ。Slackとの統合でぴったりのGIFを33言語から閲覧、検索することができる。遊び心を持って考えや気持ちを伝えることが可能になる。
  • Abacus:
    唯一の知的な経費報告ソリューション。データと行動分析により、経費の作成と承認に関してレコメンドや自動化を行う。チームの招待から承認した経費の払い戻しまでできる。
  • Current:
    Currentは、人生における財政管理のデジタルハブを構築する。Slackを通じて、すぐにCurrentチームと直接やりとりすることもできる。
  • Talkus:
    TalkusはSlack経由のヘルプデスク。Slack経由で会社のチームは、カスタマーとウェブサイトのライブチャット、メール、携帯やSMSで一対一のやりとりをすることが可能。

AbacusのSlackメッセージボタンで経費を承認

「この開発でSlackが全ての従業員が毎日、一日中使うツールになること、そしてSlackが全ての知識労働者が同僚、アプリケーション、ワークフローに関わるサービスになるポテンシャルがあることを示しています」とSlackは説明する。

Slackがより多くのエンタープライス向けツールの参加を促し、Slackでログインできるエンタープライスツールが増えるほど、カスタマーは他のサービスに切り替えるのが難しくなる。中核となるチャットアプリがコピーしずらいものではないと考えると、これは非常に重要なことだ。開発者エコシステムに頼り、その熱量、リーチ、そして機能連携アプリに投資するSlack FundでSlackは深い堀を築いている。

他のエンタープライス向けコミュニケーションツールがSlackの領域に侵略させないための堀でもあり、Slackのチャットインターフェイスを使用しているユーザーがサブスクリプションを解約する気を起こさせないための堀を築いているのだ。

[原文へ]

(翻訳:Nozomi Okuma /Website

 

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TechCrunch Japan

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