Snap、Spectaclesの次期バージョンを開発中。拡張現実が加わるか

今月Snapは、ビデオ録画機能付きメガネSpectaclesをヨーロッパでも販売開始したが、この会社はすでに次期バージョンも開発中で、情報筋によるとかなり大胆な仕様になるかもしれない。

初期バージョンのSpectaclesは昨年129.99ドルで発売された。ユーザーは写真またはビデオを撮影してSnapchatサービスに投稿することができる。このアイデアはさまざまなコンテンツを作成しシェアする方法をユーザーに提供した。

第2世代プロジェクトは厳重な社内秘に守られている ―― 1800人いるSnapの社員の中でも製品の詳細や出荷時期を知っているのはごくわずかだと別の情報筋が本誌に話した。われわれの理解は、次期バージョンが第1世代から「大きく変わる」ということだけで、具体的内容はわかっていない。

Spectacles IIに拡張現実機能が内蔵される可能性はかなり高い。重要なヒントは、Mashableが発見したARメガネに関するSnapの特許出願資料にある。2015年11月付の書類には、Snapが2枚のレンズ構成でユーザーの位置を検知し、デジタルコンテンツを周囲の空間に投影する計画が書かれていた。

Snapのアプリはすでにそんな計画に対応する準備ができている。同社は4月に最近拡張現実機能 ―― World Lenses という名称 ―― を公開し、ユーザーの周囲の物体をデジタルオブジェクトで置き換えることを可能にした。マスクやフィルターとは異なり、ユーザーはSnapchatアプリに現れる3Dオブジェクトのまわりを歩き回ることができる。

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Snapはメガネ以外にもさまざまなハードウェアにも長年取り組んできている。今回の特許申請が注目される理由もそこにもある。

出願書類には、「拡張現実ヘルメットおよび拡張現実サンバイザー」などの別製品への言及もある。さらにSnapは、Ctrl Meという小さな会社を買収して以来ドローンともつながりがあり、自社開発も検討した。360度カメラの販売計画についても本誌が以前報じた

こうした様々な種類のハードウェアが開発中である可能性がありながら、本誌の情報源は、少なくとも現在、SnapはSpectaclesの次期バージョン製品を作っていると考えている。

SnapがSpectaclesを最初に売ったのは昨年11月で、本拠地のカリフォルニア州ヴェニスで ‘Snapbot’ という1台の自動販売機を通じて販売した。その後Snapbotを拡大し、今年2月にはオンラインでも買えるようになった

Spectaclesは多くの人々のイマジネーションをとらえたが、Snapの収支に大きな影響を与えることはなかった。販売台数は公表されていないが、決算報告から推定すると、2016年Q4に約3万4600本、2017年1Qには6万3800本を売ったとみられる。これは、四半期あたりそれぞれ約450万ドルと830万ドルに相当する。Q1にSnapの売り上げが1.496億ドル(損失は22億ドル)だったことを考えると、大きな声で発表する話ではない。今はまだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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