SNSで見た商品を即購入できるEコマースの実現に向けCuralateが2750万ドルを調達

mikaela-holmes

PinterestにInstagramにTumblr。ウェブの未来は画像にかかっているのは自明だが、どうやってそれで稼げるのだろうか?ユーザーが投稿する画像に何が写っているかを理解し、ユーザーを画像の商品を購入できる場所とつなげることだ。 Curalateは正にそれに取り組んでいる。この画像認識でマーケティングを行うスタートアップは、NEAがリードする資金調達ラウンドで2750万ドルを調達した。合計調達金額はこれで4000万ドルとなった。

もし、写真が何千語の説明に匹敵すると言うなら、Cralateはブランドがユーザーにストーリーを伝えることを可能にする。

CuralateLike2BuyGuess (1)

Curalateは1つのプロダクトを提供しているのではなく、複数のビジュアル・コマースのツールを用意しているため、彼らが何をしているかを理解するのは少しむずかしい。Curalateが用意しているツールの説明を噛み砕くと以下のようになる。

  • Like2Buy_home_cardLike2Buy
    ブランドのInstagramプロフィールのリンクを商品購入のゲートウェイにする。Instagramのどの投稿からでも商品購入が可能となる。
  • Fanreel
    ユーザーが投稿した画像をブランドのウェブサイトに掲載し、画像認識で写っている商品をタグ付けすることで商品購入を容易にする。
  • Visual Insights
    アナリティクスデータを生成し、どのブランドの商品がInstagram、Pinterest、Tumblr、他のSNSで拡散されているかを知ることできる。ブランドは注目されている商品が分かる。
  • Reveal
    ブランドのウェブサイトに掲載されている商品画像にタグ付けして、商品の詳細ページや購入ページにリンクする。
  • Ads
    ブランドがInstagramとPinterestの専用のターゲティング選択ができる広告を購入できる。

ブランドはソーシャル・メディアが上手く機能するように期待して待つだけではなく、Curalateを使うことで自分たちから動いて、計測し、活用し、効果を高めることができるようになる。

画像への転換

共同ファウンダーでCEOのApu Guptaは最初からCuralateの構想があったわけではないという。最初は「駐車と保管場所のAirbnbアプリ」のアイディアでY Combinatorを訪れた。しかし、彼は「これは取るに足らないアイディアであることに気付き、閉鎖することにしました。投資家に資金を返すことを話したのですが、投資家はまた考えて新しいことを試しては、と言いました」と語る。

2011年からCuralateは、大手小売ブランドとソーシャルメディアの有力企業をカスタマーとして迎えてきた。Refinery29、Nasty Gal、Gap、Nordstrom、Neiman Marcus、Sephora、Urban Outfitters、J.Crew、True Religion、BuzzFeedらが含まれている。この成功がNEAを惹き付け、今回のシリーズCの投資ラウンドにつながった。前回から投資しているFirst Round CapitalとMentorTech Venturesも今回のラウンドに参加している。

CuralateReveal_MarkAndGraham (1)

「現在ソーシャルチャネルはそれぞれ『購入ボタン』の実装を検証しています。それは、今後ユーザーが商品を発見した時点とユーザーが実際に商品を購入する時点が近づくことを示しています」とGuptaは説明する。「これを実現するための課題は、画像に写っている商品が何かを知ることです」。

ソーシャルプラットフォームは自社サービス経由の購入を簡単にするための取り組みを行っているが、大手ブランドはサポートを必要としている。First Roundのファウンディング・パートナーで有名投資家のJosh Kopelmanは「Curalateはコンシューマーの行動を再構築しているトレンドに沿っていて、名だたるクライアントを惹きつける革新的なプラットフォームを構築しています」。

トレンドの最前線へ

ビジュアル・コマースを実現するために必要な部分を担うツールはたくさんあるが、Curalateの戦略は、それらをまとめて簡単に利用できる月額のSaaSサブスクリプションとして提供している。他の動きの早い競合他社が市場で最良のプロダクトを制作し、追いくリスクはある。今回の2750万ドルの資金調達でそれを防ぐために採用とプロダクト開発に注力する考えだ。

Reveal_A_02

マーケティングはこれまで、ブランドがカスタマーに購入を強引に勧めるようなトップダウンのものだった。しかし、未来はよりボトムアップの形に近づくだろう。ソーシャルメディアのインフルエンサーはSNSで大量のフォロワーを集めていて、つまらないブランドは敵わない。インフルエンサーがこの商品が好きと言ったり、商品を着たりすると、多大な売上につながる。

Curalateのプロダクトはこの大きな転換に合致するものだろう。ブランドは自社のどの商品がビジュアルのトレンドになっているかを知ることができ、分析結果からソーシャルメディアのスターを採用して、スポンサードコンテンツの制作を依頼することができる。そして、ユーザーをそれらのコンテンツから自社サイトでの商品購入につなげることができるだろう。

スクリーンの大型化、カメラの改良、インターネット接続が早くなったことでソーシャルネットワークはマーケティングの力学を変えた。ブランドの説明書きは必要ない。カスタマー自身が撮影した写真や動画が台頭する。これはビジネスがコントロールすることができない自然な転換だ。しかし、ビジネスはその転換に乗ることはできる。そしてCuralateはそれらブランドの転換をもたらす中継地点になろうとしている。

[写真はBill Leveyから。商品はMikaela Holmes Designsのもので、こちらから購入できる]

[原文へ]

(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。