ここしばらく大きな話題になっていたSoftBankのUberへの投資がほぼ完了した。
Wall Street Journalによれば、 SoftBankがリードする投資グループがUber株式の15%前後を所有する手続きが、早ければ太平洋時間の今日(米国時間1/28)にも完了するという。
発行済株式を株主から買い上げる取引については、総額は480億ドルとなるもようだ。Uberが前回ベンチャーキャピタルから資金を調達した際の会社評価額をベースにした場合、株式の額は690億ドルだったはずで、SoftBankの取得価格は大幅な割引となった。これと別にSoftBankらはUberに直接10億ドルを投資するが、こちらは690億ドルの会社評価額をベースとしている。
Uber社員やBenchmark Capital、Menlo Venturesなど、初期から投資を行っていたベンチャーキャピタルはSoftBankに所有する株式を売却するものとみられる。これによって現在まで「ペーパーマネー」に過ぎなかったものがキャッシュに置き換わるわけだ。Uberは現在まで株主に株式の売却を原則として禁じていた。
UberとSoftBankはこの件に関するコメントを避けた。
SoftBankの投資が完了すればBenchmarkはUberの元CEO、トラビス・カラニックへの訴えを取り下げる。この訴訟はカラニックが取締役会の決議を経ずに取締役を任命する権限があるかどうかを巡って提起されていた。
カラニックはUberに対して社会的批判が高まったのをうけて6月にCEOから退いた。Uberは性的差別やハラスメントを容認する企業文化があったとして非難されてきた。また、Googleの親会社Alphabetグループが所有するWaymoから自動運転テクノロジーを盗んだとして巨額の特許訴訟を起こされている。
今回の株式公開買付ではSoftBankが唯一のメンバーというわけではなく、このグループにはDragoneer Investment Groupが含まれている。先月TechCrunchが報じたとおり、Sequoia Capital、Tencent、TPGなど他の投資家もUber株式の買い付けに興味を示していた。
画像:: ANTHONY WALLACE/Getty Images
〔日本版〕Reitersが報じたところによれば、Wall Street JournalはUberの株主は同社の20%程度を所有しているとしている。これが事実ならSoftBankグループは公開買付の成功でUberの20%を所有することになる。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)