SpaceXは同社の宇宙船Crew Dragonの回収用パラシュートシステムの試験風景を詳細に紹介している。最新のビデオには貨物機や高高度バルーンから落下する映像などのテスト風景が収められている。Crew Dragonカプセルのテストバージョンが砂漠のテスト地域に向かって落ちていくところや、宇宙飛行士を送り出すミッションを終えた後、緩やかに着地するための複数パラシュートアレイを展開する様子などが見られる。
イーロン・マスク氏の民間航空会社は、このCrew Dragonパラシュートシステムを以前からテストしているが、4月にデモ用Crew Dragonカプセルの代わりに金属製のそりを使って行われた「高度な開発テスト」がNASAの期待に答えられず失敗に終わったこと以外、ほとんど情報がなかった。ともあれ、最終的な完成システムに向けて提供されたデータによれば今回のテストは両者にとって「成功」だったようだ。
SpaceXは、今日公開されたビデオで信頼性試験や認定試験など7種類のテストを紹介している。同社はまだこのパラシュートシステムが認定を受けたとは発表していないが、ライバルのボーイングは6月にStarliner有人宇宙船の認定を受けている。
パラシュートシステム以外でもSpaceXは、NASA職員を乗せた有人飛行の認定を受けるためにさまざまな試験を実施している。また最近同社は、4月にCrew Dragonがエンジン試験を中断した失敗理由の調査の進捗や、有人試験飛行に向けた改善点についても詳しく報告した。
SpaceXはCrew Dragon初の有人試験ミッションの目標を2019年中としており、以前は7月末の実施を目標にしていた。現時点でSpaceXの宇宙船が今年中に宇宙飛行士を乗せて飛ぶところを見られる可能性は極めて低い。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )