国際宇宙ステーションに関する関するカンファレンスでイーロン・マスクはSpaceXのロケット再利用計画について語り、いくつかの詳細が明らかになった。SpaceXでは来年中にFacon 9を回収後、24時間以内に再打上げすることができるようにする計画だ。マスクによればSpaceXは「これを実現するための技術的な筋道を付けている」という。
SpaceXのロケット再利用はまだコスト削減に大きな効果を挙げる段階まで来ていない。マスクは最近の回収して再利用に成功したISS補給船ドラゴンについて、回収後の整備コストは補給船を「新しく建造するのとほぼ同等、やや大きいかもしれない」と明らかにした。
SpaceXは補給船の整備技術を今後改良していくはずなのでコストの点も時間と共に改善されるはずだ。マスクは「次回はコストを数パーセント削れるだろう」と述べた。これは補給船の再利用に関しての話だが、再利用サイクルを早めるためには非常に多くの技術的問題を解決していく必要があるようだ、
一方、ロケットの先端部を覆って衛星などのペイロードを保護しているフェアリングについてマスクは「SpaceXは再利用の実現い非常に近づいている」と述べた。今年、SpaceXはフェアリングを地上に戻すことに成功している。マスクによればフェアリングと部品の再利用は「近い」という。フェアリングには複雑なシステムが取り付けられており、総額は500万ドルから600万ドルの価値がある。
「空から600万ドルが詰まった箱が落ちてくるとしたら捕まえてみたくなるはずだ」とマスクはSpaceXのエンジニアに言ったという。
フェアリングの回収は今年末か来年初頭を目指している。ブースター(1段目)とフェアリングが回収できればFalcon 9の80%が再利用されることになる。マスクは「われわれは2段目も回収できるかもしれない。ともかくそれも実験してみる」と述べた。
ロケット全体を短時間で再利用できるようになることはマスクが目指す火星ロケットの実現に欠かせないステップだ。マスクが再利用を急ぐのはそういう理由のためだという。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)