Spotify、複数人で音楽を楽しむ「グループセッション」正式発表

Spotifyが新機能「グループセッション」を発表した。この機能によりプレミアムユーザーが2人以上同じ場所にいる場合、再生する曲をお互いにコントロールできるようになる。グループセッションは一種の「パーティーモード」で、参加者はリアルタイムで再生する曲をコントロールしたり、グループ用にコラボしてプレイリストが作ることが可能だ。

今現在隔離生活を共にする同居人や家族は、自宅で長時間共に過ごすわけだが、同社はこの機能を、SpotifyでBGMをかけながら仕事や食事をしたりダンスなどを楽しむ際に活用できるとしている。

機能を使用するには、まず「ホスト」が再生画面の左下にある「接続」メニューをタップし、表示されるスキャン可能なコードを「ゲスト」と共有する。ゲストはホストのコードをスキャンすることでセッションに参加できる。するとSpotifyに内蔵されているコントロールを使ってキューにある曲の一時停止、再生、スキップ、選択ができるようになり、次に再生する曲の選択も追加できるようになる。ゲストが行う変更は参加者全員のデバイスにすぐに表示される。

Spotifyではすでにお気に入りの音楽をグループで共有できる方法を提供しているが、そうした方法には制限があった。また友達とコラボプレイリストを作って、だれでも曲の追加や削除、再生順の変更ができる機能がある。さらにSpotifyプレミアムファミリープランのメンバーは、家族全員が好きな曲を入れたFamily Mixと呼ばれるパーソナライズプレイリストが聴ける

だがこれらのオプションには、グループセッションのようにリアルタイムでコラボできる機能がない。

グループセッション機能は、2019年5月に有名なリバースエンジニアJane Manchun Wong(ジェーン・マンチュン・ウォン)氏によって発見されてから、テストが続けられている。8月後半になると、自分のアカウントにその機能がある報告するユーザーも現れた。つまり一部のユーザーは前からこの機能を使っていた可能性があるのだが、今後は世界中のプレミアムユーザーのみが利用できるサービスとなる。

この機能についてSpotifyでは開発当初、たとえばパーティーホストのテレビ画面に映ったコードを読み取るなど、ユーザーがパーティープレイリストに参加するためにSpotifyをダウンロードすることで、アプリを急速に広める手段になると予想していたであろう。だが新型コロナウィルスの世界的な大流行により、パーティーなどの集まりが制限され、人々が自宅で自粛生活を送るようになる中、Spotifyはグループセッション機能を、家族や同居人と楽しく過ごす方法として位置付けた。

同社はこのような機能をプレミアムサブスクリプションサービスに組み入れることで、無料ユーザーが有料のミュージックオンデマンド・ストリーミングサービスに契約するように促す。また今はその絶好のチャンスでもある。

新型コロナの大流行のために多くの人が活動を自粛しており、自宅で楽しく過ごせる方法を探しているが、ストリーミング、特に動画のストリーミングの需要が伸びている。ユーザーが料理や家事をしたり、家族でくつろぐときに視聴するため、Spotifyの4月の収益は、過去数週間に2桁の伸びを見せたそうだ。

現在、グループセッションはベータ版で発表されている。つまりこれはまだテスト・開発段階であるということだ。この機能はSpotifyプレミアムファミリーアカウントを共有するユーザーを含む、プレミアムアカウント保持者が利用できる。100人までサポートできるが、現時点ではその全員が同じ場所にいなければならない。

今日発表されたバージョンは、機能の第1イテレーションで、Spotifyはユーザーのフィードバックを反映しながら、長期的に進化させていく予定だ。将来的には同じ場所にいなくても共有できるように展開していく可能性もある。

グループセッションは今日発表されたばかりなので、プレミアムユーザーであってもまだ目にしていない人もいるかもしれない。ロールアウトが完了すれば、全世界のプレミアムユーザーが利用できるようになる。

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(翻訳:Dragonfly)