Spotify(スポティファイ)で人気のあるプレイリスト作成ツールの「Blend」に、2021年の正式公開以来最大のアップデートが実施される。これまでのBlendでは2人のユーザーのお気に入りの曲を組み合わせて共通項を探し、音楽の好みが重なり合うところを見つけられる。Blendを作成すると、2人のリスニング傾向に基づいて毎日新しい曲で更新される。米国時間3月30日、SpotifyはBlend機能を進化させ、最大10人と組み合わせて、あるいはお気に入りのアーティストと組み合わせてプレイリストを作れるようにすると発表した。
SpotifyはBTS、Charli XCX、Kacey Musgraves、Lauv、Megan Thee Stallion、Mimi Webb、Tai Verdes、Xamãなどのアーティストと提携し、自分の音楽の好みとアーティストの音楽の好みに共通する曲を1つのBlendプレイリストにまとめられるようにする。他のBlendプレイリストと同様に、ユーザーには「テイストマッチ」のスコアが記載されたカードも提供される。スコアは自分のリスニングの好みをBlendの参加者と比較し、どの程度似ているか、あるいは違うかに基づいて計算される。
このカードは、Facebook(フェイスブック)、Instagram(インスタグラム)、Snapchat(スナップチャット)、Twitter(ツイッター)などのソーシャルメディアに直接共有できるようになっている。
アーティストとの連携に加え、SpotifyはBlendをアップデートして家族や友人のグループが独自の共有プレイリストを作れるようにした。Spotify Familyのメンバーはすでに同様のテクノロジーを活用して家族全員が楽しめる曲を集め自動で更新されるFamily Mixプレイリストを利用することができた。しかしこの機能はSpotify Familyのメンバー限定で、個人のユーザーは利用できなかった。SpotifyはBlendに似たDuo Mixというプレイリストも提供しているが、これもDuoのプランのユーザーに限られている。
ストリーミング事業者が提供するパーソナライズされたプレイリストは、サービスを売り込むための重要なツールだ。Spotifyのライバルである音楽サービスのApple MusicやGoogle(グーグル)のYouTube Musicではそれぞれの企業のスマートフォンやモバイル用ソフトウェアに音楽アプリが含まれているが、Spotifyにはその強みがない。それにもかかわらずSpotifyが音楽ストリーミング市場をリードしている理由の1つが、パーソナライズされたプレイリストだ。エンターテインメント調査会社のMIDiAが2022年1月に公開したレポートによると、Spotifyの音楽サブスク市場における世界でのシェアは31%で、Apple Musicの15%、Amazon Musicの13%などをリードしている。その一因は、Spotifyがユーザーを好きな音楽、そして現在ではポッドキャストで引きつけるためにパーソナライズ機能を大いに活用していることだと考えられる。また、Spotifyは新しい機能やプレイリストをかなり頻繁に公開して、パーソナライズ技術の活用に関して先行していることをユーザーや競合に示している。
Spotifyは今回の機能強化より前にBlendのマッチング技術を別のところで利用していた。2021年12月に同社は、パーソナライズして1年を振り返る「Spotifyまとめ」でBlendを活用した。「Wrapped Blend(まとめブレンド)」と名づけられたこの機能で、自分と友人の「まとめ」を比較することができた。
今回の新しいBlendは、米国時間3月30日から展開される。
画像クレジット:TechCrunch
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(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)