Teslaは来年からModel 3の生産の一部を中国で行う

水曜日に、この2年で初めて利益の出た四半期を迎えたことを報告したTeslaは、その収益の流れを、北米以外の顧客にも新しいModel 3を届けることで拡大しようとしている。その計画の一部には、中国における製造計画の加速も含まれている。

Teslaの収益は、第3四半期で急上昇し、68億ドルに達した(利益は3億1200万ドルである)。これは、生産ボトルネックや直近の物流問題を抱えてはいたものの、みな新しいModel 3のおかげである。同社は、米国とカナダでの販売を通じて、黒字化のマイルストーンを達成することができた。この結果、2つの巨大な市場がテーブルに課題として残された。欧州と中国である。

水曜日にTeslaは、2018年末までに、欧州と中国でModel 3の受注を開始すると発表した。またModel 3の欧州への出荷を、来年の初めには開始すると語っている。

水曜日に株主に送ったレターの中で、Teslaは「欧州における中型プレミアムセダン市場の規模は、米国の2倍以上です」と述べている。「これが来年早々に、Model 3を欧州に持ち込めることに興奮している理由なのです」。

また同社は中国向けのタイムラインをさらに加速し、来年にはModel 3生産の一部を中国に持ち込むと述べている。

Teslaはその業績レポートの中で「Model 3の生産の一部を2019年中には中国に移し、現地調達と製造を通じて徐々にローカリゼーションのレベルを上げることを目指している」と述べている。「中国での生産は、中国国内の顧客のみに向けられたものとなります」。

Teslaは今月の初めに、中国内での急速な工場建設の計画を発表した。だが、さらに新しい内容が加わっているようだ。「Model 3の生産の一部」という言い回しは重要なフレーズだ。これは、製造業の世界では完全ノックダウン(CKD)として知られている用語を指している可能性がある。CKDは基本的にある製品(例えばModel 3)の組み立て前の部品キットである。これは、外国への出荷時に関税を回避するために使われる戦略である。

Teslaは上海に工場を建設する予定だが、建設はまだ始まっていない。

同社は10月に、上海の臨港ある約210エーカーの土地の権利を確保した。Teslaにとって米国外初の工場予定地である。

Teslaは10月初めに出したその生産並びに物流レポートの中で、海運会社を使って車両を輸送するコストと関税、地元で生産された電気自動車への補助金の欠如などが、中国で同社にとって不利に働くと述べている。テスラは、第3四半期の業績レポートの中で、これらのコスト制約を再確認している。

Teslaは7月に上海政府と、1年に50万台の電気自動車を生産できる工場を建設する契約を結んだ 。建設が始まったあと、Teslaが車両を生産できるまでには約2年かかる。その契約締結時にTeslaのスポークスマンは「工場が完全に機能を始め、中国内の顧客に年間約50万台の車両を生産できるようになるには、2〜3年かかるでしょう」と語っていた。

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(翻訳:sako)

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TechCrunch Japan

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