シリコンバレーでVR、AR、MRを手がけるスタートアップに特化したVCのThe Venture Reality Fund(以下、The VR Fund)。同社は現地時間7月20日、最新のAR業界の動向をまとめたカオスマップを公開した(2017年Q2版)。
このカオスマップの作成のため、The VR Fundは2000社以上の企業を調査。その中から、資金調達額や収益力などをもとに150社をピックアップして掲載している。同社によれば、「ARアプリケーションを手がける企業数はQ1と比べて60%増加した」そうだ。
The VR Fundはプレスリリースのなかで、「Q2において最も活発だったエリアは、デバイスとSDKツール開発だった。これは業界全体がいまだ前進を続けていることを表している」とコメントしている。
「Q1では、FacebookやAppleといったビックプレイヤーたちによる大きな動きがあった。それにより、開発者たちの活動は活発化し、マーケットがカバーする領域も拡大した」(The VR Fund)。
日本では、2017年5月にGoogle Tangoに対応したASUSの「ZenFone AR」が発売したこともあり、ARを身近に感じる機会が増えてきた。
The VR Fundは、「開発キットはまだ未熟ではあるものの、Microsoft HololensとGoogle Tangoによって、ARがもつ可能性が広く知られることとなった。近い将来、AppleのARKitに対応する形でこれらのプラットフォームがさらに進化することが期待される」と、Q2でARプラットフォームが果たした役割を評価している。
しかし、その一方で「現在のAndroidエコシステム内の分断は、開発スピードとTangoの普及スピードを鈍化させることになるだろう」とも加えた。
「FacebookのカメラプラットフォームとAppleのARKitの登場により、AR業界はさらに活発化。この業界に対する注目度も上がった。これはコンシューマー向けアプリケーションの分野で特に顕著だ。現時点での開発者からの反応を見る限り、Appleはこの“ARプラットフォーム戦争”で強大な勢力になるだろう」(The VR Fund)。