2人の米国上院議員が、動画共有アプリのTikTok(ティックトック)が「国家安全保障上のリスク」を引き起こす可能性があるか否かの評価を、米国政府の最上級情報機関に対して要請した。
上院議員のCharles Schumer(チャールズ・シューマー)氏とTom Cotton(トム・コットン)氏による書簡の中で、議員たちは国家情報局のJoseph Maguire(ジョセフ・マグワイア)長官代行に、アプリのメーカーが、米国人のデータを中国当局に引き渡す可能性があるかないかを尋ねたのだ。
TikTokはこれまでに、およそ1億1000万回ダウンロードされており、ソーシャルメディアネットワーク上で共有可能な短く気軽なビデオを録画する機能が人気を博している。だが2人の議員は、TikTokは北京に本社を置く会社が所有しているため、位置データ、クッキー、メタデータなどの同社の所有するユーザーデータが、たとえ米国内のサーバーに保存されていたとしても、中国政府によって引き渡しを求められるのではないかと述べている。
シューマー氏とコットン氏は、TikTokの親会社であるByteDance(バイトダンス)が中国の法律を「現在も遵守するように強制されている」と警告している。
「セキュリティの専門家たちは、中国共産党によって搭載されている諜報活動を支援し協力を行うために中国企業たちを縛り付けている、中国の諜報機関、国家安全保障、そしてサイバーセキュリティ法の曖昧なパッチワークに対して懸念を表明している」、と米国時間10月23日に出された書簡で報告されている。「データやその他の活動に対する中国政府の要求を審査する、独立した司法機関がなければ、中国企業がその要求に同意しない場合に、上訴するための法的メカニズムが存在しないことになる」。
おなじ法的原則はどちらの側にも適用される。中国を含む一部の国では、米国政府を利する形でスパイ活動を強要される可能性があるという懸念から、米国企業は排除されるか、アクセスが制限されてきた。
米国政府の大規模な監視活動を明らかにしたエドワード・スノーデンによる暴露の余波で、多くの主要テック企業が、米国政府への協力のおそれから、中国政府の国家承認購買リストから皆排除されたのだ。
上院議員たちはまた、このアプリが北京に対して「政治的に影響があるとみなされる」コンテンツを、検閲していることを懸念していると述べている。9月にはガーディアン紙が、アプリのモデレーターが、チベットの独立、天安門広場の虐殺、禁止された宗教団体である法輪功に関連するコンテンツを、積極的に検閲していることを明らかにしている。
また2016年の米国大統領選挙で見られたように、このアプリは外国から影響を及ぼすツールとして使用される可能性があるため、このアプリは「スパイ防止活動」に対する脅威をもたらす可能性があるとも述べている。
私たちの問合せに対して、国家情報局長官のスポークスマンはコメントを返さなかった。
TikTokは、書簡を「慎重にレビューしている」と述べている。「私たちTikTokは、TikTokが米国において信頼され責任ある企業市民であり続けることをまず改めて申し上げる以外に、現時点でこれ以上のコメントをするつもりはありません。もちろん議会や関連する法執行機関との協力は惜しみません」とTikTokの広報担当者Josh Gartner(ジョッシュ・ガートナー)氏は述べている。
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(翻訳:sako)