視線追跡のプロであるTobiiが、最新の視線追跡分析のために作ったメガネとソフトウェア、Tobii Glasses 2を発表した。様々な状況、場所で「実世界の凝視データをリアルタイムで取得する」ために作られたTobii Glasses 2は、軽量(45グラム)で邪魔にならず、ユーザーの凝視データを1080pのHDで記録する。システムは、追跡用メガネ、撮影データをメモリーカードに保存できる小型記録ユニット、およびTobii Glasses Controllerソフトウェアからなる。
ウェアラブルデバイスの話題があふれる昨今、消費者ではなく研究者に焦点を合わせた新製品が発表されることは、ある意味で新鮮に感じる。
同社にとってこれが初めての視線追跡メガネではないが、前作と比べて新モデルは少しスリムになった。改訂されたソフトウェアには、使用者の視界をライブで見る機能が追加され、True Viewと呼ばれるHDシステムでは視線の移動を再現することができる。
一度でも製品開発か広告(デジタルでもそうでなくても)業界で働いたことのある人なら、この道具が調査の至宝であることがわかるだろう。視線追跡は、様々な種類のソフトウェアおよびハードウェアシステムのデザイン方針を決定する際、極めて重要な価値を持っている。
これと同じような製品による、実に説得力のあるユースケースを以前本誌で紹介したことがあるが、Tobiiの構想も非常に魅力的だ。小売店のショッピング体験はもちろんのこと、アスリートが標的を見る方法を追跡したり、運転者が案内に従って走る時など応用は無限だ。
同社は、サイネージ、シミュレーター、コントロールパネル、モバイル機器、社会調査、グループダイナミックス等における利用の可能性も挙げている。
これは、企業向け製品である消費者向けではない。Tobii Glass 2の価格は1万5000~3万ドルで分析パッケージは別売り。注文は今日から受け付け、出荷は2014年10月からの予定。
[原文へ]
(翻訳:Nob Takahashi / facebook)