米国と中国の政府が技術的なデカップリング政策を推進する一方で、民間のテック企業は両国のリソースを活用し続けている。自律走行車の分野では、中国のスタートアップ企業、あるいは中国とのつながりが深いスタートアップ企業が米中両国で事業を事業を展開したり、投資を模索するのはよくあることだ。
しかしこれらの企業が成熟してグローバルに展開するにつれ、中国との関係がより綿密に調査されるようになってきた。
サンディエゴに本社を置く自動運転トラック企業のTuSimpleは、今週NASDAQ(NASDAQ)にIPOを申請したが、その目論見書には、中国の資金源による規制リスクが記載されていた。
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米国時間3月1日、対米外国投資委員会(CFIUS:Committee on Foreign Investment in the United States)は、中国最大のマイクロブログプラットフォームSina Weibo(新浪微博)を運営するSina Corporation(新浪公司)の関連会社であるSun Dreamによる投資について、TuSimpleに書面による通知を求めた。Sun DreamはTuSimple社の最大の株主であり、クラスA株式の20%を保有している。WeiboのCEOであるCharles Chao(チャールズ・チャオ)氏とCFOのBonnie Yi Zhang(ボニー・イー・ジャン)氏は、ともにTuSimple社の取締役だ。
米国政府がSun Dreamの投資が同国の国家安全保障を脅かすと判断した場合、同投資家はTuSimpleから投資撤退するダイベストメントを指示される可能性があると、その要請書は指摘している。
WeRide.ai、Pony.ai、AutoXなど、中国に拠点を置く自律走行スタートアップはカリフォルニア州に研究所を置き、米国でのテストを行うための規制当局の許可を得ているが、ほとんどの企業は米国での商業計画を明らかにしていないようだ。
一方TuSimpleは今のところ米国に焦点を当てており、同社のレベル4セミトラックのうち50台は米国で、そして20台は中国で使用されている。
中国の自動運転スタートアップのある幹部は、匿名でTechCrunchにこう語った。「中国と強い繋がりがあることが、彼らの米国に焦点を当てた戦略にとって足かせになり得ます」。
TuSimpleは、IPO前の沈黙期間中であるためコメントを差し控えた。
このような障害は、米国市場(またはその同盟国)を狙う中国系テック企業にとっては目新しいニュースではない。有名な例では、CFIUSはByteDance(バイトダンス)が10億ドルを投じて買収したMusical.lyをTikTok(ティックトック)に統合する際に、国家安全保障に関する調査を開始した。2020年12月の時点では、CFIUSはByteDanceとの間で売却完了に向け「交渉を行っている」とロイターが報じていた。
自動運転関連のベンチャー企業は中国との関係を断ち切るためにダイベストメントという道もあるが、Momentaの幹部が指摘したように、グローバルな結びつきが強い業界で短期的にサプライチェーンの独立性を実現するのは、より複雑なことかもしれない。
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画像クレジット:TuSimple
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(文:Rita Liao、翻訳:Aya Nakazato)