Tuverlはアフリカの公共交通機関に秩序と利用しやすさをもたらす

アフリカはさまざまな文化や言語、慣習であふれる多様性のある大陸かもしれないが、Tuverlの共同創業者でCEOのHope Ndhlovu(ホープ・ンドロブ)氏によれば、南アフリカからエジプトに至るまでの大陸全体にひとつの共通する体験、あるいは共通する産業があるという。それは公共交通機関で、アフリカ全体に数百万もの中小事業者がありエコシステムはバラバラで混乱している。

公共交通機関は、1人が1台のバンかバスで営業しているようなところもあれば、複数の車を持つ大きな企業が運営しているところもある。時刻表も何らかの調整もなく、ミニバスの事業者は満員になるまで発車しないこともある。支払いは現金だけで移動や乗客の数を管理していないので、不正やお粗末な会計がはびこっている。

結果として、公共交通機関は乗客にとっては信頼できないし事業者にとっては儲からない。こうした混乱の中に、ンドロブ氏と共同創業者のBahlakoana Mabetha(バーラコアナ・マベタ)氏はチャンスを見出している。

両氏がジンバブエを拠点に創業し、公共交通機関の合理化を目指すアプリを作っているTuverlが、米国時間9月15日にTechCrunch DisruptのStartup Battlefield(スタートアップ・バトルフィールド)に登場した。交通機関の事業者は手数料を支払ってTuverlに参加する。すると事業者はアプリを使って車両を管理し、車の場所を追跡し、運賃の処理をすることができる。一方の乗客はアプリを使って市内を走るバスやミニバスの動きをリアルタイムで追い、移動を予約し、タクシーを呼び、運賃を支払える。乗客は移動にレートを付けレビューすることもできる。

このアプリのベータ版が2020年2月にGoogle Playストアで公開され、30事業者と5235人の乗客が利用している。Tuverlは新型コロナウイルスによる外出禁止の緩和に伴って利用を拡大していく計画だ。

現時点では、両氏はジンバブエに専念している。しかしハーバード大学の卒業生である2人は、Tuverlについてもっと大きなビジョンを持っている。

ンドロブ氏は筆者とのインタビューで「一般の人々にとっての公共交通機関を向上させたいというのが、まさに私のモチベーションです。これによって人々の生活が実際に変わるからです」と語り、自分自身が学生の頃に公共交通機関の運営が非効率だったためにしょっちゅう遅刻していたと付け加えた。「ジンバブエで事業を確立してそこから成長していく必要がある。しかし我々はこれをアフリカの問題にしたい。アフリカのすべての国に進出したいと考えている」。

画像クレジット:Tuverl

[原文へ]

(翻訳:Kaori Koyama)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。