Twitpicは買収により閉鎖を免れるという話があった。しかしどうやら、この話も不調に終わったようだ。Twitterからの商標関連のクレームに端を発した今回の騒動は、結局サービスの停止で幕を閉じることになる。サービスは10月25日をもって閉鎖される。その日まではアカウントページからデータのエクスポートを行うことができるが、サービス停止後にはデータも消えてしまう。
TwitpicのファウンダーであるNoah Everettはブログで次のように記している。
とても気が重いことですが、サービスの停止をアナウンスしなければならなくなりました。停止日は10月25日です。買収提案がいくつかあったのですが、いずれとも話をまとめることができませんでした。ほぼ話がまとまったように見えたときもありましたが(その旨をツイートしてしまいました)、しかし条件面で合意できなかったのです。買収されることになりましたというツイートは結局のところ嘘になってしまいました。少しでもはやく利用者の方に安心してもらいたいと考えていたのです。
Twitpicのエクスポートツールでは、登録写真(但し直近の5000枚まで)をエクスポートすることができる。Twitpicに登録した写真を見ながら懐かしい(あるいは恥ずかしい)思い出にひたる人も多いのではなかろうか。当方でも、テックカンファレンスに現れたMC Hammerの写真を投稿していたりしたものだった。
エクスポートするには少々時間もかかる様子だ。エクスポートの登録をして、しばらく後にダウンロード用のリンクが表示されるようになるという仕組みになっている。
振り返っておくと、Twitpicは9月4日にサービス停止をアナウンスしていた。しかしその2週間後、買収により生き残る見通しである旨をツイートしていた。
錯綜する状況をツイートでみると以下のようになる。
絶望から立ち直って希望を抱いた利用者にとっては、最新の発表はさらに失望を深めるものとなってしまった。Twitpicは、Twitter上で写真を共有する標準的な地位を獲得していた時代もあった。写真を登録すると、ツイートに含めるためのURLが生成されるという仕組みで、リンクする写真ページには広告もあわせて掲載されるようになっていた。しかし2011年中頃には、Twitterが自ら写真共有サービスを開始し、Twitpicの基盤を脅かすことにもなっていた。
Twitterの外部サービスの内部化方針により、外部サービスは次々に姿を消していくこととなった。たとえばYfrogはソーシャルネットワークにピボット(方向転換)することともなった。しかしそのような中でも、Twitpicはオリジナルの路線にこだわり、それが結局自らの死を招くことにも繋がったわけだ。
今回の話の発端は、数ヶ月前にTwitterが商標関連でクレームをいれたことに始まる。商標を変更するか、あるいはAPIの利用を停止するかというTwitterからの申し入れに対し、両者の経済基盤の違いなども考慮にいれたEverettは、金のかかる法廷闘争は諦めることにしたようだ。買収によって危機を脱する道もあるやに思われたが、それも結局幻に終わった。ともかくこれで終了だ。戦いは終わった。9日後、Twitpicはリングを去ることになる。
[原文へ]
(翻訳:Maeda, H)