Twitter、パクツイ対策に新たな動き?

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Twitterにジョークを投稿したりしたことがあるだろうか。あるとすれば、投稿したそのジョークは全くのオリジナルのものだったろうか。あるいはTwitter上で見かけたツイートを、元投稿者のクレジットもなく拝借したものだろうか。

もし後者であれば、あなたのツイートは著作権法に触れるものとしてブロックされてしまう可能性がある。元の投稿をした人が、Twitterに著作権法違反の旨を報告すると、そのツイートを拝借してしまった人の発言が読めなくされてしまうようなのだ。

この件を報じたのはVergeだ。@PlagiarismisbadというTwitterユーザーが、Olga Lexell (@runolgarun)が投稿したジョークについて、無断でツイートを再投稿しているツイートのブロックが行われていることに気づいたのだ。

人のツイートを盗用することについて「著作権法」を持ちだしてくるのは、少々新しい動きかもしれない。もちろんTwitter上でも言及されているように、これまでにも同様の説明により、ツイートが削除されるようなケースはあった。たとえば2年前の下の発言のような例もある。

Twitterが140文字の中で展開されるジョークについて、積極的に保護しようとポリシーを変更したのかどうか、まだ詳細なことはわからない。投稿したコンテンツが著作権法の保護に値すると考え、Twitterに対して盗用禁止の申し立てを行い、その対応のために一時的に削除したものが人目につき話題になったということなのかもしれない。

アメリカの著作権法では、短い文言については著作権を認めないこともある(商標権の問題として扱われることが多い)。その流れでいえば、140文字のツイートを著作権保護の対象とすることは、従来の法解釈の拡大であるということになるかもしれない。ただしTwitter上のルールが法律と完全に合致していなければならないわけでもなく、自らのプラットフォーム上でのルールを独自の用語で定義して用いることもできる。

Twitterのスポークスパーソンは、個別のツイートについてのコメントすることは差し控えるとのことだった。コメントの代わりに「著作権とDMCAに関するポリシー」を示してくれた。このポリシーを見てみると、写真やビデオ、ないし外部メディアへのリンクなどを主な保護対象として想定しているようで、ツイートされたジョークについての言及はなかった。しかし、ツイートの盗用により著作権を侵害されたと考える人がいれば、Twitterに報告するみちは用意されているということだ。

@runolgarunは現在、自らのアカウントを非公開設定としている。しかしVergeによるとTwitterに投稿したジョークを盗用された旨、Twitter側に報告は行ったともツイートしていたとのことだ。彼女はプロのライターであり、面白い話を作ることで生計を立てているのだとのこと。Twitterを、制作したジョークのテスト場所にも使っているのだそうだ。また、以前にも著作権侵害についてTwitterへの申し立てを行ったことがあるとも言っている。オリジナルの投稿に言及しない、著作権法的に問題がありそうな行為は、スパムボットによって日常的に繰り返されているのだとも話している。

Twitterは最近、自社プラットフォーム上を流れるコンテンツをコントロールしようとする意志を強めつつあるようにみえる。たとえば攻撃的・暴力的なツイートに対する対応を進めていたりもする。これはIPO以前の初期段階に、Biz Stoneが「徹底的フリースピーチ」の立場にたっていたのとは好対照な状況であると言えるかもしれない。当時は「ツイートは広めてこそ意味がある」(tweets must flow)として、可能な限り発言の制限(削除)はしないようにしたいとの立場をとっていた。

知的所有権法の観点からツイートを見えないようにするというのは、もちろん「気に入らない発言を削除する」というのは大いに異なる。ただし、今回の件についても、利用者増およびメインストリーム層の獲得をねらうツイッターが、徐々にその立ち位置を変え始めている一例となっているのかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H

投稿者:

TechCrunch Japan

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