リアルタイムでニュースを感じ続けていたい人や、あるいはメディア業界にいる人々は、Twitterのことをなくてはならないものと考えている人が多い。但しTwitterはそこに留まることなく、さらに利用者層を広げたいと努力を続けている。さまざまな分野で「なくてはならないもの」として広め、そして誰もが利用するものとして定着させたい考えだ。そのような中、Twitterが今回着目するのは「アート」分野だ。3月24日から30日の1週間、Twitterはヨーロッパおよびイギリスにおける数百の美術館とタイアップして、スペシャルコンテンツを提供していく予定なのだそうだ。「Twitterを利用しているみなさんに、これまでに存在しなかった直接的な美術館体験を提供し、また美術館員の方々とのコミュニケーションの機会を提供いたします」とのことだ。
公式にタイアップする美術館は既に公表されているが、他にもいろいろな美術館の飛び入り参加を期待しているそうだ。「#MuseumWeek」のハッシュタグを使えばイベントに参加できる。参加を表明している美術館は次のような感じだ。サイエンス・ミュージアム(@sciencemuseum)、ロンドン自然史博物館(@NHM_London)、ヴィクトリア&アルバート博物館(@V_and_A)、大英博物館(@britishmuseum))およびテート・ギャラリー(@Tate)、それに小さなところではあるがRoald Dahl MuseumやPencil Museum(鉛筆のミュージアムだ)(@PencilMuseum) などとなっている。
今回のイベント以前にも、たとえばテート・ギャラリーでは昨年、ロイ・リキテンスタインのライブツアーを行った。ここでは「#TateTour」のハッシュタグを使って、キュレーターに質問したりもできた。このイベントの成果もあって、テート・ギャラリーはヨーロッパの中で最もフォローされるミュージアムとなり、また全世界でも3位となった(100万人以上のフォロワーがいる)。
テート・ギャラリーのDigital Communications部門ManagerのJesse Ringhamは「アート関連の話題を提供していくにつき、多くの人に注目して頂いていることを大変光栄に思っています」と述べている。「イギリス国内外の大小博物館ないし美術館が参加する新たなイベントに参加できることを、非常に楽しみにしています」とのこと。
Twitterでは同時期に美術館訪問者の話(#MuseumSelfies)、スタッフとのやり取り(#AskTheCurator)、あるいは美術館を巡るさまざまな話題(#MuseumMemories)なども盛り上げていきたい考えだ。
直近のアニュアルレポートによれば、2013年12月までの四半期におけるTwitterの月間アクティブユーザー(MAU)は2億4100万人であったとのこと。それまでの2期に比べて、MAUの伸びが低くなっている。Twitterは既存利用者層の活性化を狙うだけでなく、これまでにTwitterを利用していなかった層にもTwitterを利用してもらうために、いろいろな活動を行おうとしているわけだ。
スポーツイベントを楽しむために、Twitterを利用し始めたという人はかなりの数にのぼるようだ。Twitterとしては、今回のMuseumWeekにより、こうした「従来型行動との連携」による利用者ないし利用頻度の増加を狙っているのだ。イベントをきっかけに新たなムーブメントの誕生を期待しているわけだ。今回のイベントの仕掛け人でもあるMar Dixonは次のように言っている。「多くの博物館や文化事業団体などが、非常に有益で面白い情報をTwitter上で提供していることに注目してもらいたいのです。今回のイベントがそのきっかけになればとも思っています」。
Twitterはもともと文字情報のみを展開するメディアだった。最近ではビジュアル情報の充実を目指してさまざまな拡張を行っている。今回のMuseumWeekイベントもその一環として理解できるし、またそうした方向に成長していくことで、広告ビジネスモデルの確立を目指してもいるのだろう。
Image: Jan Steen, As the old sing, so twitter the young Wikimedia Commons.
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(翻訳:Maeda, H)