Twitterがプロトタイプアプリ「twttr」の一般ユーザー向けテストを終了

Twitter(ツイッター)は、2019年より新機能のプロトタイプとして公開していた実験的なアプリ「twttr」を終了する(Twitter投稿)。このアプリは2019年1月のCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)で最初に発表され(未訳記事)、同年3月にテスター向けに配布が開始された(未訳記事)。その主な目的は、スレッド会話のための新しいデザイン(未訳記事)を試すことにあり、リプライのツリー化、ラベルの適用、応答の色分けなどが実験的に導入されていた。これらのいくつかはテストされた後、最終的にツイッターの機能として採用され(未訳記事)、そしてtwttrアプリは役目を終えることになった。

公の場でデザインするアイデアは、ツイッターの興味深い実験だった。

ほとんどの企業は新しいアイデアについてフィードバックを得るために、まず社内でベータテストを開始し、その後に一般ユーザーの数パーセントを対象とした小規模なA / Bテストを実施する。ツイッターはtwttrというプロトタイプ版アプリを公開し、もっと早い段階の開発プロセスに実際にユーザーを招待して参加させた。

twttrのコンセプトは、ツイッターのプロダクトマネジメント部でディレクターを務めていたSara Beykpour(サラ・ベイクプール)氏が主導していた。当時はSara Haider(サラハ・イダー)氏。彼女はツイッタープロダクトリーダーのKayvon Beykpour(ケイボン・ベイクプール)氏と結婚して姓が変わった。

しかしサラは2019年、社内で新しい役割に踏み出すことを発表し、ツイッターにおける会話方法の変更を担当する新しいプロダクトディレクターにはSuzanne Xie(スザンヌ・シェ)氏が就任した。彼女はツイッターがLightwell(ライトウェル)を買収したことから入社した人物だ。

twttrの開発は、シェ氏が就任した頃には止まっていたようだ。twttrが利用する「TestFlight(テストフライト)」と呼ばれるApple(アップル)のベータテスト用ユーザーベースに、重要なアップデートがリリースされなくなっていたからだからだ。そしてシェ氏はこの秋、Stripeへ転職するためにツイッターを去った(Twitter投稿)。

現在、ほとんど使われていないアプリを維持することは、もはや同社にとって意味がないのだろう。

ツイッターは米国時間12月4日、正式にtwttrを終了する計画を発表(Twitter投稿)。ツイッター本体で行われている会話に関連する新しいテストに取り組むために、twttrを終了すると述べている。終了は即時行われる。twttrアプリは、まだそれがインストールされていれば機能するかもしれないが、TestFlightのビルドが26日で期限切れになると、そうではなくなる可能性がある。

twttrには、現時点で多くの熱心なユーザーがいたとは思えない。特にこのプロトタイプアプリには、ツイッターに導入された「トピック」や「フリート」のような新しい機能が欠けているたえ、もはやテストのために新しい実験が提供されているとはいえなかった。また、もともとtwttrでテストが始まった、ラインでつなぐスレッド形式のリプライ表示も停止される(Twitter投稿)ことになった。

しかしツイッターは、将来いつか再びtwttrが使用される可能性を排除していない。広報担当者は、新製品をテストするための将来的な計画に向けて、同社が「twttrのための潜在的な次のステップを模索している」と述べている。

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(翻訳:TechCrunch Japan)