Uberの自動運転車ユニットがワシントンDCのマッピングを開始

UberのAdvanced Technologies Group(ATG、先端技術グループ)は、今年市内で開始する予定の自動運転車テスト計画に先立って、ワシントンDCのマッピングを開始する。

画像クレジット: Uber

同社の広報担当者によれば、当初3台のUberの車両がエリアをマッピングする予定だ。これらの車両は人間によって運転され、2人の訓練を受けた従業員が同乗している。上部に備えられたセンサー部品(カメラと回転するライダーが装備されている)を用いてセンサーデータを収集することになる。

集められたデータは高解像度マップを作成するために使用される。また同じデータは、Uberの仮想シミュレーションおよびテストコース上のテストシナリオにも使用される。Uberは、2020年末までにワシントンDCで自動運転車の運用を開始する予定だ。

少なくとも他に1社が、ワシントンDCで自動運転車をテストしている。フォードは2018年10月に、ワシントンDCで 自動運転車をテストする計画を発表している。Argo AI(アルゴAI)がフォードの自動運転車用に設計された仮想ドライバーシステムと高解像度マップの開発を担当している。

フォードとフォルクスワーゲンが支援するArgoは、2018年にワシントンDCのマッピングを開始した。テストは2019年の第1四半期に開始されることが計画されていた。

Uber ATGは、2018年3月に米国アリゾナ州テンペで、人間が同乗したテスト車両の1台が歩行者をはねて死亡させて以来、目立たないように活動してきた。同社は、事故の直後には自動運転車両に関わる全活動を中断していた。

その9カ月後、ペンシルベニア州交通局から公道上での自動運転車運用に対する承認を受けて、Uber ATGはピッツバーグで自動運転車の路上試験を再開した。同社は、サンフランシスコなどのほかのマーケットでのテストは再開していない。

Uberはほかに、ダラス、サンフランシスコ、そしてトロントの3つの都市でデータ収集とマッピングを行っている。これらの都市では、ワシントンDCと同様に、人間がUberのテスト車両を運転している。

Uberは、トヨタ、自動車部品メーカーのデンソー 、そしてソフトバンク・ビジョンファンドから10億ドル(約1100億円)の資金を調達して、2019年4月に自動運転車事業をスピンアウトした。この調達時には、Uber ATGの評価額は72.5億ドル(約7900億円)と発表されていた。この時点では、トヨタとデンソーが共同で6億6700万ドル(約730億円)を提供し、残りの3億3300万ドル(約370億円)をビジョンファンドが投入した。

原文へ

(翻訳:sako)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。