2017年はWeWorkにとっては飛躍の年だった。設立7年の同社は90箇所の新しい場所を開き、世界的な会員数を倍増させ、ラテン・アメリカ、アジア、オーストラリア、そしてヨーロッパとイスラエルの新しい都市へも拡大を果たした。伝えられるところでは評価額は200億ドルに達したらしい。
2018年にも同じことがさらに待ち受けている。来年のWeWorkは毎月100万平方フィート(約9万2903平方メートル)の新しいスペースを立ち上げる予定だ。また同時に、新しいPowered By Weのビジネスを積極的に拡大する予定である。
Powered By Weは基本的に、サービスとしてのオフィススペース(office space as a service)である。WeWorkのホワイトラベル商品という位置付けだ。このサービスには、顧客のための適切な物理的スペースの選定、内装工事、カスタムオフィスインテリア、ビルオペレーションを管理するソフトウェア、オフィススペースを効率化するバックエンドデータ、そして人員交流プログラムを支援するためにWeWorkの従業員の派遣を行うことなども含まれている。
「これらのことを本当にうまくやることで、私たちは自分たちの空間を超えて価値を生み出します」とWeWorkの最高成長責任者であるDave Fanoは語る。「Amazonとは、彼らがフルフィルメントで行ってきたことと、いくつかの類似点があります。彼らは、小売モデルをはるかに超えて、インフラストラクチャを収益化しました。私たちはPowered By Weを同じように考えています」。
Fanoは顧客の名前を明かすことはなかったが、WeWorkが今年2つのPowered By Weスペースをオープンしたことを明かした。それらは20万平方フィート(1万8580平方メートル)をやや下回る大きさで運営されている。1つはシカゴ、もう1つはニューヨークである。
そして、WeWorkは既に、Powered By Weと大企業のメンバーシップの間に橋渡しを行っている。Wiredによると、WeWorkは現在IBM、Airbnb、Amazonなどの企業向けに建物を管理している。
FanoはTechCrunchに対して、現在20以上のPowered By We案件が進められていることを明かした。米国と並んで、アジア、ヨーロッパ、そしてラテンアメリカから「世界的な関心」を寄せられているとのことである。
Powered By Weの巧みな点は、それが通常のWeWorkメンバーシップを締結した企業にとっては、自然に移行できる次のステージだということだ。それに加えて、Powered By Weは(建設会社、不動産事業などとの)既存のパートナーシップや(データ、デザイン、統合技術)などの専門知識の上に立脚している。良い場所をセットアップして保守を請け負うことの方が、家主となって場所を整備し賃貸するよりも遥かにコストが安い。
WeWorkの会員の25%〜30%は、Enterprise会員企業(1000人以上を雇用している企業)からのものだ。これらの顧客からのWeWorkの収益は、25〜30%を少し上回っている。
これが、Powered By Weに対する案件を進めている会社の90%以上が、既存のWeWorkポートフォリオ企業で占められている理由だ。
これらのEnterprise顧客は、(Powered By Weの見込み客であるということ以上に)WeWorkにとって重要である。彼らはより長い会員契約に署名している(1〜3ヶ月ではなく2〜3年)。今年はMicrosoftのニューヨークのセールスチームがメンバーとして登録し、街中のでのセールスの移動の途中で、最寄りのWeWorkのオフィスに飛び込んで、ミーティングの合間の仕事をすることができるようになった。
WeWorkは間違いなく、Powered by Weの見込み客たちよりも、建物をより良く運営するためのデータと専門知識を持っているが、それがこの時勢にそれだけの売上をあげられるかどうかには疑問が残る。Accentureによれば、82%の組織が利益を増すためにコストカットを検討しているからだ。
[原文へ]
(翻訳:sako)