HPは今でも同社のオンラインストアで、Windows 8ではなくWindows 7を載せたパソコンを前面に並べている。Microsoftの最新OS Windows 8は、顔に泥を塗られた形だ。
いつも優れた記事を書くテクライターEd Bottの指摘では、HPは昨今のWindows 7の勢いに負けたのではなく、年が明けてマーケティングの再調整をやっているのだ、という。
たしかにWindows 8は出だしでつまずいたし、しっかり改良されたWindows 8.1も、その人気は期待はずれだった。NetMarketShareの調査によると、Windows 8とWindows 8.1の従来型コンピューティングにおけるグローバルマーケットシェアは10.5%である。
ユーザインタフェイスが一変し、モバイルコンピューティングとの折衷化が為されたため、多くの消費者が8と8.1には困惑している。このことは、今さらニュースにすらならない、言い古された事実だ。では、HPの真意は何だろう?
HPは二股をかけているのだが、今のところはWindows 7機を推している。つまり、消費者にとって使いやすいマシンを量販し、サポート費用を抑えたいのだ。OEMの仕事をしている友人たちによると、今どきのパソコンは利幅がとても薄いので、サポートに足をすくわれると、その薄い利幅が消えてしまうのだ。
だからOEMにとっては、サポートの電話がじゃんじゃんかかってくるような製品はノーである。だからWindows 8がどんなに機能的に優れていても、OEMが量販する機種用には選べない。長期的なユーザ体験が良いことよりも、薄利をサポートにつぶされないことを選ぶ。将来の利益よりは、今の利益がとりあえず重要なのだ。
HPのもう一つの動機は、クリスマス商戦でWindows 8.x機をプッシュしすぎたことへの揺り戻しだ。今や、恥も外聞もなく、12月に言ったことを取り消したい。Gartnerの調査でもHPのマーケットシェアは大きく落ち込んでいるから、売り方を変えざるをえない。
Windows 7でもMicrosoftにとっては売上になるから、問題ない? ところが、8でなく7が売れると、Windows Storeのお客さんが増えないのだ。デベロッパの歓心を買うためには、Storeの人気が盛り上がらないと困るのだ。クラウドとアプリケーションストアがコンピューティングビジネスの中核になっていくこれからの時代に、Windows 7のユーザばっかり増えたのでは具合が悪い。
しかしそれは、あくまでもMicrosoftの問題だ。HPとしては、利益を確保できるマシンを売りたいだけだ。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))