Microsoftはスマートフォン市場の活動を諦めるつもりはない。戦う武器として用意しているのがWindows Phoneだ。ただ、現状ではとても成功と呼べる状況にはなく、主戦場であるアメリカ国内においてもなかなか成長が見られずにいる。
Windows Phone 8をリリースし、そしてNokiaやHTCから発売されて、確かに販売台数の伸びは見られた。たとえば2012年の第2四半期にNokiaは、Windows Phone搭載のLumiaを400万台販売していた。それが2013年の第2四半期には740万台に伸びた。年間で見れば45%の伸びということになる。
この数字自体は悪いものではない。しかしNokiaは、他のOEMメーカーがWindows Phoneの世界から消えていく中、単一供給者となりつつあることも見逃してはならない。Nokia以外ではHTCがごくわずかなシェアを持っているに過ぎない。
Lumiaの販売台数の確認によりWindows Phoneも伸びを示したのではあるが、しかしアメリカ国内での市場シェアなどを見れば、決して喜ぶべき状況ではないことがわかる。最新のKantarレポートによれば、米国スマートフォン市場におけるWindows Phoneのシェアは4%に過ぎないのだそうだ。昨年比でも1.1%しか伸びていないことになる。
成長率の点から見ても、かなり問題があると言わざるを得まい。
1.1%の伸びというのが、昨年の伸び率との比較で言えば37%の伸びになるのだと言うようなことは可能だ。しかし、それももともとが非常に小さなものであるが故に達成している数値に過ぎないのだ。Windows Phoneの市場というのは、現在のところiOSやAndroidの十分の一の規模もない。
自らを第三勢力と位置づけてはいる。しかしWindows Phone 8が登場しても、Ballmerの「非常に小さな市場からスタートして、かなり小さな市場を獲得しつつある」というような冗談が、冗談にならないような状況にあるわけだ。
売れない理由がWindows PhoneがハードウェアやOS面にあるわけではないと思う。実際のところ、使ってみるとなかなか快適な機械だ。Nokiaはなかなか良い仕事をしていると言って良いだろう。しかしアプリケーションの面では先行他社に対して大きな遅れをとってしまっているのだ。WiredのAlexandra Changも指摘しているように、この状況には改善の兆しすら見られない。
そうした状況を招いている原因は何か。簡単に言ってしまえば市場シェアがあまりに小さく、開発者や企業にとってメリットのない環境になってしまっているということだろう。この面から見れば、4%の市場シェアはあまりに小さく、先行きはまだまだ険しいということになる。
WMPoweruserに面白い記事があった。「MicrosoftのWindows Phone部門のリーダーであるJoe Belfioreたちは、スプリント競技ではなく、マラソン方式でシェア拡大を狙っていくと言っている」というものだ。しかしマラソンとジョギングが別物であることもまた、意識しておいた方が良いと思うのだ。
Top Image Credit: Al Pavangkanan
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(翻訳:Maeda, H)