WinZip、ZipShareでクラウドに参入。あらゆるストレージのファイルを圧縮、管理、共有できる

WinZipは、90年代初期に公開されたファイル圧縮ツールだが、今でも年間3000万回以上ダウンロードされている。今日そのWinZipがクラウドに参入した。同社は、ZipShareという、ファイルのZip、管理、暗号化、および共有サービスをスタートし、主要なファイルホスティング・プラットフォームとも連携する。

現在ZipShareは、ファイルの圧縮と共有を、ユーザーのパソコンからだけでなく、Box、Dropbox、Google Drive、OneDrive、SugarSync、HighTail、CloudMe等からも行うことが可能で、他のプラットフォームも追加予定だ。しかし、ZipShareが面白いのはそのファイル管理機能だ。

はっきりさせておくと、ZipShareは自身で新たなクラウドストレージ・サービスになろうとはしていない。むしろ同社のねらいは、多くのユーザーがファイルの作成、保存、共有のすべてをオンラインで完結させている今日の世界で、WinZipのテクノロジーをより重要な位置付けにすることにある。、

もちろんWinZipは以前からクラウドが自社ビジネスに与える影響を認識している。WinZip バージョン17を2012年10月に公開した時、Dropbox、Google Drive、Microsoft SkyDriveをはじめとするクラウドサービスを追加サポートした。しかし、レビュー結果は、あまり芳しいものではなかった

WinZipは、モバイルアプリでも少ないながらクラウドサービスを統合してきたが、これも対象ファイルホスティングサイトの拡大と共に変わっていくだろう。

しかし、これまで同社のソフトウェアはそれぞれのバージョンが特定の環境でのみ動作していた。WinZipの製品担当ディレクター、Jacques Lamontagneがこう言っている。「われわれは、プラットフォーム無依存の製品を作りかった。そのためにはウェブアプリを作る必要があった」。さらに彼は、同社が圧縮機能以上に、WinZipの共有機能により重点を置きたかったことも説明した。

つまり、ZipShareにファイルをアップロードする際、ユーザーはファイルの最終目的地としてどのクラウドストレージを使うかを指定できる。ファイルはアップロードの最中にZip圧縮されながら、ユーザーお気に入りのサービスに保存され、オプションでパスワード保護を追加することもできる。これによって、ストレージサイトが既に保護機能を導入している場合にも、第2のセキュリティー層として働き(AES-256暗号を使用)、侵入に対してファイルがより安全になる。

アップロードが完了すると、そのzipファイルをメールまたはfacebook、Twitter、LinkedInなどのソーシャルネットワークでシェアすることができる。ZipShareは受け手にURLを発行し、それをクリックすればzipファイルをダウンロードできる。同サービスはファイルのダウンロードも追跡するので、送り手はファイルがアクセスされたかどうか知ることができる。

こうして、ウェブ、デスクトップ、モバイルいずれからもファイルをすばやくアップロード、zip圧縮できることに加え、ZipShareの “My Files” セクションを使えば、ユーザーの好きなクラウドサービスを横断してファイルを管理できる。つまり、ZipShareを使って、異なるファイルホスティングサイト間でファイルを移動したり、クラウド上のファイルを削除、zip、unzipしたりできる。

クラウドに保存したファイルをzipできる機能は、ストレージサービスの容量を最大限に活用したいユーザーにとっては朗報だ。「(各社が提供する無料ストレージを)合計すれば、空き容量は40~50GBになる。無料ユーザーはそれが一杯になるまで使い続けられる」とLamontangeは言った。

現在サービスはベータ版で、モバイル版の最適化を完成させている段階だ。今春中に正式スタートの予定。

ベータ期間中は、共有、追跡、暗号化、ファイル管理の全機能が提供されているが、正式提供後は基本的ファイル共有のみ無料で利用てきる。WinZipはプロバージョンを年間39.95ドルで提供する計画だが、今後変わる可能性があるとのこと。他に9.95/月のビジネスモデルも検討中で、1社あるいは複数のクラウドストレージ会社との提携も視野に入れている。

興味のあるユーザーは、ここでサインアップできる。

写真提供:Flickr user theaucitron under a CC by-SA 2.0 license

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook