WordPress.com、WooCommerce、Jetpackなどのサービスを提供するAutomatticが未来的な生産性ツールのスイートとしてHappy Toolsをリリースする。 Automatticはリモートワークを積極的に取り入れている企業で、世界68カ国に850人の社員がいる。そのため社員のコミュニケーションやスケジュールの調整のために各種のツールを開発して社内で利用してきた。
Happy ToolsはAutomatticが内部で利用してきた一連の生産性ツールをサービスとして提供しようとするものだ。最初のツールはHappy Scheduleといい、名前のとおり、リモートワーカーのスケジュールを調整する。Automatticによればカスタマーサポートは24時間年中無休だという。Happy Toolsの責任者、Matat Wondra氏は私のインタビューに答えてこう述べた。
Automatticの部内ツールをプロダクトとして公開するというアイデアは何年も前からあった。問題はまずどのツールからスタートすべきか、最適なタイミングはいつかを見極める点にあった。我々は1年前に自分たち必要性に迫られてHappy Schedule の開発を始めたが、一般の労働力管理ツールのパズルにも欠けているピースであることに気づいた。
つまり外部で提供されている生産アプリをいくら探しても、柔軟性、使いやすさの点で我々が開発しているツールに及ぶものはなかった。特にAutomatticは世界中に展開しており、こうした広く分散したチームにスケジュールを簡単に管理できるアプリは存在しなかった。グリーンフィールドで、つまりまっさらな状態でゼロからプロジェクトを立ち上げることができた。一般公開という点からいっても長年にわたって親しんできた分野、つまりカスタマーサポートの一環としてHappy Toolsを提供するのは理にかなった戦略だった。
Happy ScheduleはGoogleカレンダーのような現代的なウェブサービスであり、SAPなどが提供するソフトのようなクローズドなアプリではない。たとえば、ドラッグ&ドロップでただちにイベントを作成できる。いちいちフォームに開始日時、終了日時などを入力する必要はない。
しかこれはほんの手始め。Automatticはこの生産性ツールのシリーズをさらに拡充してく計画だ。 将来さらにリモートワーカーのチームの効率化を進めるツールがリリースされるはずだ。同社は典型的なSaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)のアプローチを採用しており、Happy Toolsの利用プランは1ユーザーあたり月額わずか5ドル。
Automatticはサービスのスタート当初から、これは一連の生産性ツールのスイートとなることを予告しているのは興味深い。Happy Toolsのサブスクリプションをすれば、バラバラのサービスではなく、相互に補完しあう統合的な生産性ツールにアクセスすることが可能になるわけだ。これはGoogleのG SuiteやMicrosoftのOffice 365がメール、ワープロ、表計算、データベースなどを総合した生産性ツールのパッケージであるのと似ている。これはユーザーのエンゲージメント、忠実度を高めるために効果のあるアプローチだろう。
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