かつてY Combinatorを落ちこぼれたネットワーク分析のスタートアップKentik Technologiesが今朝(米国時間8/4)、ファウンダーたちが期待の目で見守る中で2300万ドルのシリーズBを完結させた。
正直に言って私たちの多くは、ネットワークのインフラストラクチャについて何も知らない。しかも幸いなことに、私たちの多くは、知らないで済まされる。しかしインターネットサービスプロバイダ(ISP)や、大量のAPIを利用している企業にとっては、ネットワークの状態を示す情報を迅速に受け取れることが、安定したサービスをコンスタントに提供していくための重要な基盤のひとつだ。もちろん、サービスプロバイダが安定稼働していれば、ユーザーがいらいらとページをリフレッシュする回数も減る。
われわれ消費者ユーザーには、ネットワークがおかしければルーターの電源コードをしばらく抜いてみる、という手がある。しかし企業の場合は複雑なサーバーシステムが動いていて、何かをリブートしたり電源を抜いてみるぐらいでは対策にならないことが多い。
そんな企業にKentikは、ネットワークのインフラストラクチャに関するデータにより、ハッカー攻撃の検出やログの分析、トラブルに至るまでの利用状況の履歴(対策の特定)、などを提供する。企業は常時、ゼタバイト級の大量の情報を扱っているから、その中で問題の箇所だけを正確にかつ早く見つけるためには、Kinetikのようなサービスが欠かせない。
この、大量のログを取ってその分析を正確迅速にやる、というKentikの特技は、同社の最大の差別化要因だ。しかし同社のコンペティターのDatadogは、今年の1月に早くも、シリーズDで9450万ドルを獲得している。
CEOで協同ファウンダーのAvi Freedmanによると、同社の売上は“数百万ドル”のレベルを超えて“数千万ドル”の領域に入りつつある。今同社の顧客は60社あまりで、その80%がアメリカ国内だが、今後は西ヨーロッパ市場を積極的に開拓したい、と言っている。
今回の2300万ドルのラウンドは、Third Point Venturesがリードし、これまでの投資家August Capital, Data Collective (DCVC), First Round Capital, Engineering Capital, そして新規の投資家としてGlynn CapitalとDavid Ulevitchが参加した。