短くて、さくっと見ることができる楽しい動画が、若者が情報を受け取るための当たり前の手段として、広がり続けている。ならば英語をTikTok的な動画で学んでもいいだろう。それがAngelo Huang(アンジェロ・ホアン)氏がBlaBla(ブラブラ)を立ち上げるきっかけとなった。
台湾出身のホアン氏は、10年以上シリコンバレーで働いた後、2019年に上海に移住し、Blablaを立ち上げた。1年後、BlablaはY Combinatorの2020年夏クラスに選ばれた。その当時、米国では新型コロナウイルス(COVID-19)が流行し始め、何百万人もの人が自宅に閉じこめられ、遠隔学習への関心が復活していた。
「YCに応募するのは8回目でした」。BlaBlaの前に2つの会社を設立したホワン氏は、インタビューの中でTechCrunchにそう語った。
今週BlaBlaはAmino Capital、Starling Ventures、Y Combinator、スペインの通信大手Telefónica(テレフォニカ)のイノベーション部門であるWayra X(ワイラX)が主導するシードラウンドで154万ドル(約1億6000万円)を調達したことを発表した。最大の英語学習市場の1つである中国におけるBlaBlaの拡大に対して、Y Combinatorに特に支援してもらえたわけではないが、有名なアクセラレーターの名前は、若い会社に投資家を紹介する上で大きな助けになった、と創業者は述べている。
BlaBlaアプリは、世界中の英語学習者に合わせた短くて魅力的な動画を作成する英語のネイティブスピーカーに、時給ベースでの支払いを行う。コンテンツ制作者は、シーンを認識してタグづけできるBlaBla独自のソフトウェアや、動画に字幕を付けることができるサードパーティ製の翻訳ツールを利用している。生徒たちはサブスクリプション料金を払い、習熟度に応じてパーソナライズされたおすすめ動画を視聴することができる。彼らは、アプリに内蔵されている音声認識を使い、スピーキングコンテストやポップクイズのようなコンテンツを通して練習することができる。
BlaBlaのビデオクリエイター向けチュートリアル動画
同社の挑戦する分野は競争相手がとても多い。中国では、オンライン英語学習市場は、Tencent(テンセント)とSequoia Capital(セコイアキャピタル)が支援する、VIPKIDのような実績ある企業によって占められている。VIPKIDのマンツーマンの家庭教師モデルと比較すると、BlaBlaの開始価格は月39元(約600円)でお手頃だとホアン氏はいう。
「(メインストリームの英語学習アプリを利用している)生徒は、教師と有意義な会話ができるようになるまでには、数千元(数万円)を費やす必要があるかもしれません。私たちはその代わりに動画をリサイクルすることで、はるかに安い価格でレッスンを提供することができます」。
現在、このアプリの週間ユーザー数は約1万1000人、有料ユーザー数は300〜400人だ。全体の80〜90%が中国のユーザーで、2021年の目標は生徒数30万人に到達することだ。今回の資金調達により、BlaBlaは東南アジアとラテンアメリカでの事業拡大が可能となり、さらにWayra Xが全世界で3億4000万人のTelefónicaユーザーへの拡大に貢献できる可能性もある。またアプリはTikTokやYoutubeのようにインフルエンサーとのブランド取引を模索することになるだろう。また新資本により、BlaBlaに対して、言語学習者の興味やプロフィールに基づいてペアリングを行うなどの新機能を追加することが可能になる。
Blablaは英語を教えることだけに限定せず、他言語の教師たちを呼び込むことにも意欲を持っている。「私たちは、グローバルな知識のためのオンライン支払いプラットフォームになりたいと考えています」とホワン氏は語っている。
カテゴリー:EdTech
タグ:Blabla、語学学習、資金調達
画像クレジット:Blabla
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(翻訳:sako)