Apple(アップル)がビデオとゲームとニュースのサブスクリプションサービスを発表する中、YouTubeもオリジナルビデオコンテンツを強化していると言っている。親会社のGoogleは、YouTubeが有名番組の買い付けを取りやめたというBloombergの記事を否定した。しかし、一方で同じ記事の別の内容を肯定した。YouTubeが有料サービスに大きく力を入れるべく、新規および既存シリーズを含む広告サポート作品を近日中に開始するという計画だ。
その計画は、現在ある11.99ドルの広告なしサブスクリプションサービスでYouTube Musicと映画、ビデオのオリジナルコンテンツを利用できるYouTube Premiumと共存するらしい。YouTubeがコンテンツ収益化戦略を変更し、プレミアムコンテンツを有料から広告サポート方式にシフトするとい噂は数カ月前から出回っていた。
さらに本誌はこの動きの一環として、既存の番組であるOriginおよびOverthinking with Kate & Juneを中止することも確認した。これらの番組は新しい計画には含まれない。
こうした動きは、ストリーミングビデオの分野に選択肢が増え競争が激化する中でどう戦っていくかをGoogleが考え直していることを伺わせる。その変化は2つのレベルで起きている。
既存および参入しつつある大手のオンラインサービスは、オリジナル映画や番組の制作に巨額の資金を注ぎ込んでいる。Netflixだけでも、今年自社コンテンツに推定150億ドルを使おうとしている。言い換えれば、こうした大物を相手に、映画や番組の制作に投資する障壁は非常に高く、競争によって価格はさらに上がっていく。
ちなみに、150億ドルというのはYouTubeが昨年生み出した広告収入の金額でもあり、それはYouTubeが競争戦略を変更しつつあるもう1つの領域でもある。数多くの会社が毎月のサブスクリプション料金や特定作品への一時払いなどで消費者のエンターテイメント予算を奪い合っている中、YouTubeは料金なしアプローチを探っている。強みを生かして、オリジナル番組コンテンツをサブスクリプションではなく、広告サポートの無料サービスとして提供しようとしている。
ストリーミングサービスがオリジナルコンテンツを制作する際の大きな特徴の1つは、権利保有者との地域別交渉という厄介で金と時間のかかるプロセスを避けていることだ。YouTubeも、全世界の視聴者にアピールする(かつ利用可能な)新しいシリーズや方式を開発することで、問題に取り組もうとしていると本誌は推測している。
YouTubeは、Googleにとってソーシャルメディアの世界で最も成功している人気サービスであるばかりか、ウェブで最も使われている目的地の一つだ。
しかし記事やそれに対するGoogleの素早い反論からは、同社が現在抱えている課題が見えてくる。Googleにとって根強い課題の一つは、コメントや広告が付くのが当たり前になっているユーザー生成コンテンツから成り立っているYouTubeのプラットフォームを、どうやって、きめ細かく作られたプレミアム・ビデオコンテンツの拠点としても活用できるかにある。次々と現れるライバルが視聴者を奪おうとする中、どうすればビデオのワンストップショップになれるのだろうか。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )