これまでZendeskは、ほとんど顧客サービスのシナリオだけに専念してきたが、どうやら最早それだけでは十分ではないようだ。インタラクションの背後にいる顧客を本当に知りたいのならば、顧客サービスコンポーネントと一緒に働く顧客記録システムを必要とする。その必要性を満たすためにZendeskはBaseの買収を発表した。Baseは既に5000万ドル以上を調達してきたスタートアップである。
両社は購入価格を公表しなかったが、Zendeskはこの買収は収益に大きな影響を与えない筈だと公表している。
CRMの世界でBaseは、Salesforce、Microsoft、またはOracleのようには知られた存在ではないだろう。同社は、独自の人工知能基盤を備えた、洗練された営業自動化プラトッフォームを構築した。CEOのUzi Shmiloviciは、営業パーソンに対して成功に向けての意味のある助言を行うためのAIを2016年にリリースした際に、同社のAIはより余裕のある競合相手たちに十分対抗できると主張した。
Zendesk CEOのMikkel Svane(冒頭の写真)は、もちろん彼のプラットフォームにBaseのような会社を追加することに価値を見出している。「Zendeskが既に顧客サービスのために行ってきたことを、営業活動のために提供したいと思っています。つまり営業パーソンと彼らが相手にしている人たちのために作られたツールを提供するということです」と彼は発表声明の中で述べている。
顧客データの中核に、顧客サービス、CRM、マーケティングが含まれているのなら、BaseはZendeskに欠けているそうしたコンポーネントの1つを提供する、と語るのはこの市場を注視しているCRM Essentialsのオーナー、Brent Learyである。
「Zendeskは顧客サービスで大きな地位を占めていますが、今や統合プラットフォームを探している中堅/企業顧客に対する立場を強化しました。Baseは強力な営業活動自動化のピースをパズルに提供します」と、LearyはTechCrunchに語った。
彼が指摘しているように、私たちはHubSpotがHubSpot Appsを使って似たような動きをしている事を見ているが、その一方SugarCRM(最近Accel-KKRに買収された)も、新しいオーナーの潤沢な資金を用いた買収を仕掛けるかもしれない。「これはほとんど、CRMエンタープライズソフトウェアによるHunger Games(小説/映画の名前。登場人物たちが最後の1人になるまで殺し合う)と同じです」と彼は冗談を言った。彼は、これらの企業はより完全なソリューションを提供するためにプラットフォームの欠けている部分を獲得しようとしているので、さらに多くの統合が起こることが予想できることを示した。
Zendeskの製品ポートフォリオのシニアバイスプレジデントだったMatt Priceが、Baseチームを前進させる。
Baseは2009年に設立され、5000以上の顧客を誇っている。Baseは既に、Zendeskのアプリマーケットプレイスで売られていたことを指摘して置くことには意味があるだろう。よってここには多少のオーバーラップが存在する。もちろんZendeskは既存の顧客をBeseに移行させようとするだろう。
Zendeskは、Baseのすべての顧客を引き続きサポートすることを表明している。さらにBaseの125人の従業員全員が、Zendeskに入社するように招待されているので、ここで流血の心配はない。
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(翻訳:sako)